北京オリンピックのヨット競技は、青島で行われます。開催に向け、青島国際帆船センターの建設が2004年5月から始まり、今年末には完成する予定です。場所は青島市東部の浮山湾付近にあり、総面積は45ヘクタールです。センターには、選手村、大会管理センター、プレスセンターなど、大会開催に必要な全ての機能が備わっています。
青島国際帆船センターの最大の特徴は、北京五輪の3大理念の一つ「グリーンオリンピック」の発想がデザイン、そして建築全体に生かされているということです。たとえば、センター内の街灯はすべて風力発電によるものですし、温水プールの加熱やクーラーの稼動も全て太陽光発電で行われます。
風力発電や太陽発電以外に、もうひとつ、自然エネルギーの利用が行われています。それが海水の温度差を電力に転換する技術です。太陽によって温められた海の表層部分の温度と、熱が伝わらずに温度がほぼ一定の深海の温度差を利用して発電するシステムです。
自然エネルギーで発電すること以外に、センター内の交通手段もグリーンオリンピックを体現しています。オリンピックの開催期間中、センター内は、一般の車両が全て通行止めになります。そして、物の輸送や選手、観客の移動は全て電気自動車が使われます。これらの電気自動車は各施設の間を定期的に運行するそうです。また、選手たちの日常の移動のために自転車、キックボードが貸し出されるそうです。
|