瀋陽市の中心にある瀋陽故宮は、清の初代皇帝、太祖ヌルハチ(努爾哈赤)と2代皇帝、太宗ホンタイジ(皇太極)によって建設された皇城で、1625年に着工し、11年もかけて竣工したものです。総面積約6万平方メートルの瀋陽故宮は、北京の「故宮」の12分の1の広さですが、300以上の部屋を持つ70棟以上の建物が建ち並びます。
瀋陽故宮の敷地内は大きく東、中、西路という3つに分かれています。東路の真正面にある二階建ての大政殿は、かつて盛大な式典が行われた場所で、漢、満、蒙の3つの少数民族の建築の特徴を兼ね備えた傑作とされています。中路にはメインの建物が一直線に並んでおり、中央には玉座の置かれた崇政殿、その背後には三階建ての鳳凰楼、さらに奥には皇族達が生活していた建物があります。
盛大な宴会が催されていた鳳凰楼は瀋陽故宮で最も高い建物で、その上からは瀋陽市内を一望できたということです。皇帝の寝室だった清寧には、太宗ホンタイジが息を引き取ったとされる寝室が保存されています。西路には嘉陰堂、戯楼、歴代の重要な書類「四庫全書」を収蔵していた文溯閣などがあります。これらは北京へ遷都した後、乾隆帝によって建てられたものです。ヌルハチとホンタイジの宮殿であった瀋陽故宮は、順治帝が都を北京に遷した後も離宮として使用され、先祖の墓参りや東北地方巡回の際に皇帝が滞在しました。現在、瀋陽故宮博物館として公開されている瀋陽故宮には、優雅な家具、調度品や食器類などが展示されています。(一部の内容は中華遊ネットより)
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