五輪も後半に入った北京は、ここ数日、秋のようなさわやかな空が広がり、過ごしやすい日が続いています。17日の日曜日に、マラソンの試合が行われました。天気は曇り、夏の暑さもなくなり、風も緩やかで、最高のマラソン日和でした。
さて、五輪競技は毎日、新しいストーリーが生まれ、見る人を一喜一憂させています。期待の110メートルハードルの劉翔選手は、足の怪我で、惜しくも棄権。世界中の人を驚かせました。北京放送の姜平記者がちょうど現場で取材していましたので、その時の会場の様子を伝えてもらいます。
怪我を抱えながらも、最後の最後まで頑張り続けた劉翔選手に敬意を表し、一刻も早く、怪我が治れるよう祈っています。
ところで、五輪というと、メダルばかり注目されがちですが、メダル以外のところにも、数多くのストーリーがあります。中国メディアは、イラクやアフガニスタンからの選手にもスポットを当てました。様々な困難を乗り越えて、五輪に参加した選手たちに格別な注目をよせた理由は、中国自身の歩みとオーバーラップしたからでもあります。中国のメディアでは、これらの選手に対し、「どんなに困難なことがあっても、夢を諦めず、それに向かって頑張っている」と高く評価し、敬意を表しています。そして、「このような夢のある国民がいる国はかならず、いつか発展する」とコメントしています。
一方、北京五輪開催期間最後の4日間、8月21日から24日、「北京五輪武術トーナメント」が北京で開かれます。武術は北京五輪の正式種目ではないのですが、トーナメントは五輪と同じく、国際オリンピック委員会(IOC)が承認し、北京オリンピック組織委員会(BOCOG)が主催して実施するものです。アジアの伝統的な武術、武道では、東京五輪の時は、柔道、ソウル五輪ではテコンド?がそれぞれ五輪の正式種目になりました。今回も、中国武術が五輪の正式種目入りする絶好のチャンスと見られていました。しかし、五輪オリンピックの種目全体は縮小傾向にあることもあり、最終的には、五輪開催期間中のトーナメント大会という形になりました。
トーナメントでは、(套路競技)男女5種目計10種目と(散手競技)男女計5種目のあわせて15種目が実施され、43の国・地域から128人の選手が参加します。出場枠と参加資格は昨年11月の「第9回世界武術選手権大会」(北京)の成績によって定められ、中国は8種目で8人、日本は6種目で6人が参加資格をそれぞれ獲得しています。選手たちはオリンピック選手と同じ選手村に入り、メダルもオリンピックに準じて五輪マーク入りのものが用意されています。
16日の土曜日、北京で合宿中の武術日本代表の孫建明ヘッドコーチにインタビューしました。どうぞお聞きください。(王小燕)
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