先月末に大学の統一試験が行われ、今、各大学が合格者の発表を行っていますね。それに関連して青少年発展基金会という団体が興味深い調査結果を発表しましたので、その内容についてご紹介します。
調査は貧困家庭の学生の実態を調べるためのもので、まだ入学試験が始まる前の5月から6月にかけて行われました。調査の対象は北京を始め、雲南省や湖北省など11の市や省から16の高校の生徒およそ500人を抽出して行いましたが、貧困家庭の学生は全体の三分の一に達していることが分かりました。その平均年収は4700元余り、日本円にすると7万円ぐらいになりますが、それに対して子供が大学に入った場合に必要な教育費は、年間に6700元は必要だという結果が出ました。
ということは、教育費が収入を上回ってしまうという事です。従って、こうした貧困家庭の学生のうち13%の人が、例え大学に合格しても諦めざるを得ないと答えています。またこの他にも60%の人が入学1年目の費用を集める事が難しいと答えています。
教育省は、こうした貧困家庭の学生のために補助金を出して支援する事にしていますが、それだけでは十分ではないため、調査を行った青少年発展基金会では募金を募り、奨学金を支給するといった支援活動を行うことにしています。実は以前このコーナーで私が、今の中国の大学生は贅沢な生活をしているという事を紹介したことがありますよね。
それもひとつの調査結果ですから、勿論事実なんですが、もう一方では大学に入る場合に、こうした厳しい現実を抱えている人がいるという事を、今度の調査で知ることが出来たという次第です。
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