ランコムの創設者、アルマン・プティジャンはバラに対して強い情熱をもっていました。彼はパリ郊外のヴィル・ダヴレーに自分のバラ園を持ち、バラを育てていました。彼がランコムの香水の象徴にバラの花を選んだのもうなずけます。ランコムの香水に描かれているバラは、丸い花と曲がった茎の伝統的なバラで、ベルギー人の画家ルドゥテの作品をベースにしています。ルドゥテはパリ在住の水彩画家および彫刻家であり、植物と花を専門に描いています。
1964年:長い茎、小さな葉をもつバラの花がランコムの象徴となります。ランコムの広告、全てのパッケージにバラの図案が使われます。
1974年:バラから葉がなくなって、さらに洗練された図案になります。
1996年:60年代から使われてきたバラの図案はー当時はまだランコムのパッケージに使われていましたー広告のなかで命を吹き込まれ、茎がまっすぐに伸びて、製品の種類に応じて異なる色の花を咲かせるようになります。スキンケア製品には白やアイボリーのバラ、メイクアップ製品には製品に合わせた色とりどりのバラ、サンケア製品には黄色のバラが使われます。

2000年:全てが変ります。バラの図案は、ランコムのコミュニケーションに不可欠な一つの要素となり、キャンペーンに応じて変化するようになります。
ランコムは、創立当初から香水にバラの図案を使ってきました。初めてバラの図案が使われたのは、ランコムが最初に発売した5つのの香水のうち、Tendres Nuits(タンドール ニュイ)とConqeu(コンケット)であり、特に後者には積極的に使われました。

1957年:Envol(オンヴォル)ーバラとジャスミンの香りを合わせた香水ーが発売されます。ボトル部分はバラの芽の形にしたデザインに、バラの蕾を形どったキャップをかぶせたものが使われます。
1971年:Sikkim(シッキム)の発売ー同じようにバラとジャスミンの豊かな香りを合わせた香水。ブルガリアンローズ。現在、Sikkimはアンスティテュー ランコムでのみ販売されています。
1987年:オー アンタンスの発売。純粋なバラの香りの強い存在感がこの製品の特徴です。

1990年:トレゾァでは淡紅色を使い、バラの花と統一させます。パッケージの淡紅色とバラの花は、周囲を取り巻く白い花の柔らかいトーンでアクセントがつけられます。「バラを主体とした丸い花束の香り」
ドゥ ミル ローズーミレニアムを記念して創作されたとても素晴らしい、はかない芳香の香水。ランコムは、持てる能力のすべてを駆使して、完全な純粋種のバラからこの驚嘆すべき香水を創りだしました。デューンローズ、ジャコウバラ、純粋なブルガリアンローズの香りがこのきわめて優れた芳香の中心となっています。
スペシャルコメント:ランコムのメイクアップ製品にもバラが使われており、成功しています。最も有名なのはブルガリアン ローズの香りがつけられたあの口紅、「Rose de France」です。
ランコム ローズは実在します!このバラは1973年にDelbardによって創作され、今日でもDelbardのカタログの目玉商品となっています。このバラは淡紫紅色の花を咲かせ、蕾は細長い円筒形で、40枚ほどの花びらは厚く、光沢があります。
Delbardによれば、ランコム ローズは親木の性質をうけついだ強健なバラであるとのこと、父木のバラはその丈夫さゆえに「オークの木」のニックネームを持ち、深紅色の花を咲かせます。母木のバラはふじ色に近い色の花を咲かせます。こうしてランコム ローズの名で知られている大変珍しい、生き生きとしたバラが誕生しました。(琳)
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