浙江省麗水市雲和県の霧渓村には、多くのシェー族が暮らしています。生活が安定し、豊かになった村人たちは、いかに民族文化を守っていくのかについて考えるようになりました。その結果、村人たちは、「お年寄りが若者や子供に伝える」のが、一番いい方法だということで認識が一致しました。そこで、シェー語や民謡、舞踊、民族スポーツなど12の学習班を開設することを決めました。お年寄りたちが、まず行動に乗り出したのです。
一年間の準備を経て、この5月中旬、各学習班はようやくスタートしました。村の雷春藍さんは、自らは刺繍班に、連れてきた6歳の娘さんには、「シェー語班」と「民謡班」を申し込みました。
ところで、66歳の藍観海さんは、10歳からお父さんに従って民謡を習い始め、今では地元の有名な歌手です。この一年間、600曲の民謡と歌い方などを本にまとめ、シェー族民謡教科書を作りました。シェー族には、文字がないので、漢字の当て字で民謡を記録する方法を取りました。印刷された100冊余りの民謡教科書は、申し込みを受け付けた初日に、全部持ち帰られました。そして、藍さんの民謡学習班には、30人余りの若者と40人余りの子供が殺到しました。
さて、漢字が織り込まれた腰帯は、シェー族独特のものです。この日、雷暁玲さんら数人の若い女性が、隣の村からやってきて、60代の藍福翠さんと藍蓮さんの織り物班で早速勉強を始めました。雷さんは、「以前から習いたかったが、お金を払ってもなかなか習うことができないので、このチャンスを大事にしなければ」と話しています。
この日、藍観海さんが作った「シェー族博物館」も開館し、多くの村人を迎え入れました。博物館では、シェー族の伝統的な生活用品や服飾など374点が展示されています。その収集には、10年もかかったそうです。(編集:GK)
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