「わたしが雲や風より強いだって!?冗談じゃない!いくらわたしが重くてがっしりしているからといっても、お前たちネズミは、いつもわたしに穴を開けているじゃないか?」
「うん?そういえば・・」
「ほら、わたしの下のほうは、お前たちが開けた穴がたくさんあるぞ!」
「ああ、確かに」
「だから、わたしはお前らネズミが大嫌いなんだ!お前たちにはわたしはお手上げだからな!ほら!今でもお前の親戚が穴から這い出てきたぞ!さあ!早く向こうへ行ってくれ!」
このように壁がきつく言うものだからネズミは、その場を離れて考え出した。
「そうか!ということはわたしたちネズミは壁よりもすごいということだ!そうだったのか。この世で一番偉いのはわたしたちネズミだ!そうか!わかった!」
ネズミは深くうなずき胸を張って戻っていった。
ところが、家に帰り、このことを家族に話すと、妻や子供たちは自分たちネズミより猫の方が強いという。そこでネズミは「それもそうだ!わたしたちネズミは猫を見るとすぐに逃げてしまうな」と思い、この世で一番強いのは猫だということがわかったが、同じネズミであるかわいい娘を猫に嫁入りさせては、食い殺されてしまうことがわかり、のちに娘をやはり、同じ若いオスネズミに嫁入りさせることにしたそうな。はい!
そろそろ時間のようです。で、来週のこの時間、つまり1月1日の火曜日は、お正月番組ですので、この「中国昔話」は一回お休みとなります。ですから次の放送は1月8日です。ご了承ください。ではリスナーの皆さん。よいお年をお迎えください。
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