シャングリラは、神秘的で、ロマンチック・・美しい風景は、まるで桃源郷のようで、国内外の観光客の憧れの場所です。
シャングリラのある迪慶チベット族自治州は中国南西部の雲南省に位置します。そこには、チベット族、リス族、ペー族、ナシ族、イ族など25の少数民族が暮らしています。シャングリラ県の町並みを歩くと、少数民族の独特の姿を見ることができます。
迪慶チベット族自治州では、知る人ぞ知るという歌手、アムーさんに出会いました。アムーさんは今年、60歳過ぎですが、見た目には、もっと若く見えます。そして歌っている時は、さらに元気いっぱいです。
アムーさんはシャングリラ県のあちこちに招かれ、チベット族の歌を歌います。いつも大好評だそうです。学校に通ったことがないアムーさんですが、チベット族の歌なら何でも歌えます。そして、よく現場の雰囲気や気持ちによってアドリブを効かせるそうです。チベット族の歌について、アムーさんは「子供のころから、歌ってきた。私の一生は歌のための一生といってもいいと思う。小さいころは、大人と一緒に、よく山へ柴刈りに行った。作業をしながら歌を歌っていた。チベット族の人はみんな自分で作詞し、作曲する。彼らの歌を全部保存しておけばよかった。」と語りました。少数民族の歌は多くが口伝えで伝えられるもので、保存することはなかなか難しいのです。
歌と踊りは少数民族の生活で欠かせないものです。「しゃべれる頃から歌え、歩けるときから踊れる」という言い方もあるくらい、歌と踊りが生活に密着しています。
先日行われた迪慶チベット族自治州設立50周年の記念式典で、多くの少数民族の人々が民族衣装を着て、歌ったり、踊ったりしました。この祭りの様子について、ナシ族のダンサーである李文明さんは「舞踊といえば、私達ナシ族では最も有名なのは大衆の踊りである。特に、2月8日は私達ナシ族の祭りで、この日、若い男女が集まって、さまざまな活動がある。皆は、踊ったり、歌ったりする。それにつられて、夜になると、村人全員が踊りの輪に加わるようになる」と話します。
これらの少数民族の伝統的な祝日に合わせて現地に遊びに行けば、より収穫の多い旅になりますが、普段、シャングリラに行ってもすばらしい踊りが見られます。シャングリラ県のあちこちの広場では、多くの人が集まり、音楽に合わせて楽しく踊る風景が毎日見られます。現在、よく広場で見られる舞踊は、民間に散在している踊りを集めて、再編成して作られたものです。半年かかって、農村、学校、企業、住宅団地に普及されました。今、この踊りはシャングリラの少数民族文化の観光ポイントにもなっています。
少数民族のほとんどは自らの民族衣装を持っています。シャングリラには25の少数民族がいますが、それぞれ、美しく色とりどりな民族衣装を持っています。
地域によっては、同じ民族であっても服の様式が違います。そして、経済の発展につれて、各民族の服もますますおしゃれになっているそうです。シャングリラの町に出ると色鮮やかで、さまざまな模様の民族衣装があちこちで見られます。布や皮などで作られた素晴らしいデザインの衣装、それにメノウ、サンゴ、シルバーなど手作りのアクセサリーで飾られた華やかなデザイン・・彼らの民族衣装は、少数民族の間だけでなく、海外の人々にも人気があるようです。
ほとんどの少数民族の服とアクセサリーは手作りなので、一つとして、まったく同じものがないと言います。シャングリラ県には、民族の特色のあるものを販売する店が多くあります。そんな店を経営するジョーマーさんは「小さいころから、これら銀のアクセサリーや器などを作り始めた。この作業は代々受け継がれてきた。店に出しているチベットのシルバー製品は全部、自分で作ったもの。」と語りました。
日本の皆さんも、もしシャングリラに行く機会があれば、ぜひこれらの店に足を運んでみてください。
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