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中国大陸と中央アジア文化が融合「サラ族」の暮らし
   2007-10-25 17:32:40    cri

 サラ族は主に、青海省の循化サラ族自治県、甘粛省の積石山保安族・トンシャン族・サラ族自治県及びその付近に住んでいます。主にイスラム教を信仰している民族で、人口は10万人ぐらいです。

 青海省の省都である西寧から出発して、南東の方向へ110キロ行けば、循化に到着します。黄河の水が峡谷から流れこみ、循化の豊かな土壌を育んでいるので、青海高原にありますが、気候は非常に快適です。

 この循化にはサラ族という少数民族が集まって暮らしています。

 サラ族の祖先は中央アジアのサマルカンド人とされています。元の時代に新疆を経て東部にたどり着き、青海省の循化地区に定住するようになりました。長年の生活を通じて、周囲の漢族、チベット族、回族などと融合する中で、独自の民族??サラ族が形成されたのです。

 循化県の街子郷はサラ族の祖先が最初に定住したところです。ここのサラ族の独特な文化の雰囲気も最も濃い場所です。町の中央には白いラクダの石像があります。サラ族は、ずっと白いラクダを民族のシンボルとしています。それについては、こんな伝説があります。

 800年余り前、中央アジア地域に住むイスラム教を信仰する部落がありました。そのころ、部落のリーダーは、国王に嫉妬されていました。迫害を免れ、平安の地を探すため、リーダーは部落を率いて、東のほうへ移動していきました。彼らは白いラクダを引いていました。ラクダは故郷の土と水、そして部落の宝物である『コーラン』の写本を載せていました。山を越え、砂漠を渡り、彼らは黄河沿岸のある場所にたどり着きました。その時、白いラクダがいなくなったことに気づいた部落の人たちは、慌てて探しました。そして、きれいな泉のそばに、すでに石となった白いラクダを見つけたのです。ラクダが乗せた荷物には、まったく損害がありませんでした。そして、その場所には、故郷から持ってきたものと全く同じ土や水があることを知ったのです。それをアラーの意思だと信じた彼らは、その泉周辺に定住しました。それが、今の循化です。

 その伝説の中にあった『コーラン』の写本は実在していて、現在、循化に保存されています。循化県街子郷のある小学校の黄継全先生は、ラクダ泉の近くにあるアラビア風の建物を指しながら、「あそこが、中国サラ族の『コーラン』写本の保管場所ですよ。現在、全世界には、たったの3冊しかないのですが、そのうちの一冊がここ、循化にあるというわけです」と教えてくれました。

     

 サラ族の多くは、今でも古く、簡素、かつ独特な「木編み」住居に住んでいます。明・清の時代に建てられたもので、上下二つの層に分かれており、二階は、寝室、バスルームなど、一階は倉庫、家畜小屋になっています。家の建築材料は、黄河上流の山奥で採取された上質の松です。最も特徴的なのは、サラ族の住居の壁です。雑木の枝で編まれ、その両面を草や泥で塗り固め、中に空洞になっているため、建物自体が軽く、冬暖かくて、夏涼しいというのが特長です。

 中国の少数民族は歌や踊り、音楽などが得意です。サラ族もそうです。"口弦"は、サラ族の伝統的な民族楽器です。銅あるいは銀で作られた2ミリほどのもので、馬のひづめの形にしています。口弦の真ん中にある一枚リードの振動によって、曲を奏でます。サラ族の人々はよく静かな夜に口弦を吹いて、自分の気持ちを表すそうです。若い男女たちは、それを通じて相手に対する恋心を表します。

 サラ族は自分の感情を表すもう一つの方法もあります。"サラハール"という歌です。"サラハール"について、サラ族の芸術家である韓占祥さんは「サラ族は自らの言葉はありますが、文字は持っていません。民族文化は口づたえで代々伝えていくしかないのです。サラハールはサラ族の言葉で歌うもので、種類も非常に多いです。調べた結果によると、循化で歌われているサラハールは63種ぐらいあるようです。その内容は、故郷や、民族のこと、恋愛などに及んでいます」と語りました。

 長い年月でサラ族の独自な文化が形成されています。その文化から、サラ族の人たちの生活に対する情熱が感じられます。チャンスがあれば、ぜひ循化に行って実際にサラ族の皆さんと触れ合ってみてください。

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