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中国山東省の都市・シ博の無形文化遺産
   2007-07-19 18:06:51    cri

 中国山東省の中部には、シ博(シは、さんずいへんに、右上は巛、右下は田)という小さな都市があります。春秋戦国時代の斉の国の都だったことから、「斉文化の発祥の地」と言われています。ですから、今も「五音戯」「聊斎俚曲」「孟姜女の伝説」「蹴鞠」など、昔から数多くの文化財が残されています。以下では、その中の4つを取り上げてご紹介します。

 まずは、シ博の地方劇、五音戯です。この五音戯には、300年近くの歴史があり、山東省のヤンコ踊りと「花鼓戯」という伝統戯曲から生まれたものです。最初は、5人の役者によって上演されていたことから、5つの音の戯曲「五音戯」という名前がつけられました。セリフは口語的な表現が多く、役者が一音一音をはっきり発するのが特徴です。また、演じ手は裏声ではなく、最初から最後まで、地声を使って演じるのが一般的です。

 さて、みなさんは「聊斎志異」という書物を聞いたことがありますか?中国の清の時代には、蒲松齢という有名な小説家がいました。彼は数多くの作品を著していますが、その中で最も有名なのは、短編小説集の『聊斎志異』です。これは鬼・妖怪・キツネ・幽霊などと人間との不思議な物語を描いたものです。

 この『聊斎志異』の作者・蒲松齢さんが、故郷・シ博の伝統的な歌をまとめて、それに地元住民の日常生活を描く言葉を取り入れて曲を作りました。それを「聊斎俚曲」といいます。こういう形式の曲は、約400年くらいの歴史があるといわれています。メロディーは抑揚があり、バラエティに富んでおり、また、歌詞の内容は庶民の生活を描くものが多いので、地元の人々から大変好まれています。

 ところで、シ博の文化遺産は、五音戯や聊斎俚曲のような伝統演劇だけではなく、伝説もあるのです。孟姜女(もうきょうじょ)の伝説です。

 秦の時代、孟姜女という女性がいました。新婚の夜、夫の万喜良さんは、万里の長城を造るため、地元の兵士に無理やり連れて行かれました。その後、孟姜女は、夫を捜すため、万里の長城に行きました。しかし、長城に着いたら、夫はもう過労で死んでしまったことを知りました。それで、長城のそばで何日間も泣きつづけたら、長城の一角が崩れて、夫の万喜良の遺体が現れたという伝説です。

 この物語ができたのは山東省のシ博だといわれています。地元には、この伝説にちなんで数多くの民謡や歌が残っています。

 4つ目の文化遺産は、蹴鞠(けまり)です。最初は、春秋戦国時代の斉の国で始まったもので、鹿の皮、もしくは藤の枝で作った鞠(まり)を一定の高さで蹴(け)り続けて、地面に落ちるまでに蹴り上げた回数を競うスポーツでした。2004年、国際サッカー連盟のブラッター会長が、「サッカーの起源は、中国の蹴鞠である」と公式に発表したことにより、サッカーの起源が中国にあることが公に認められました。

    

 以上ご紹介した4つの文化財はすべて、中国政府によって国家クラスの無形文化遺産に指定されています。今度、シ博を訪ねる機会があれば、その一つ一つに実際に触れてみる機会を持ちたいと思います。(鵬)

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