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(三)「不気味な白い雲」ー1
   2007-01-23 14:32:52    cri
 さて、次のお話です。今度は「太平広記」という本から「不気味な白い雲」です。

 「不気味な白い雲」

 河南のお寺竜門寺に鄭州の原武生まれの和尚がいた。時は宝暦年間のある日、和尚はなんと古里にある老いた両親だけを残した実家の秋の取入れを手伝うため、竜門寺から特に休みを貰い、若い弟子を連れて帰ってきた。翌日のあさ、和尚は、弟子を連れ、馬に乗ってかなり離れた田畑に向い、その日の仕事を終えて、来た道を戻り始めた。が、途中で林のそばまで来たとき、馬が急に止まった。みると馬は前方を見つめたまま、和尚と弟子がいくら促しても前へ行こうとはしない。そこで鞭や棒で叩いたりしたが、馬は前方に何か恐ろしいものでも見つけたかのように後ろへ下がるばかり。そのうちに暗くなってきたので、弟子が明かりをつけた。しかし、馬はなおも前へは進まない。不思議に思った和尚は、馬を道端の木に繋いでおいて、出てきた月の光と明かりを頼りに、弟子と一緒に前の方に行ってみた。で、五十歩ぐらい行ったころ、前方でふわふわした白いものがゆっくりと動いているが見え、何だあれは?と和尚と弟子がそれに近づいてみると、それは白い雲のようなもので、急に何かが腐ったような匂いがする。そこで二人は鼻を摘んで見ていた。すると白い雲は、変なうめき声を出しながら遠くの方にゆっくりと進んでいくではないか。そこでもとの所に戻り、馬の縄を木から解くと、馬はどうにか前へ進むので、和尚はさっそく馬に乗り、弟子と共にかの白い雲のあとを追った。

昔話
v (四)「不気味な白い雲」ー2 2007-01-23 14:32:40
v (五)「不思議な調べ」 2007-01-23 14:32:25
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