馬寅初(1882ー1982)は近代中国の教育家、経済学者です。1882年、浙江省のジョウ県に生まれました。
青年時代には中国の革命組織「中国同盟会」に加入し、北洋大学に入学したことがあります。1910年、アメリカのエール大学の経済学部を卒業し、1914年にはコロンビア大学研究院の経済学博士学位を獲得しました。
1916年以降は、北京大学の教授、教務長を歴任。「五・四運動」に参加しました。
その後、浙江振興銀行や中国銀行の顧問を兼任。1927年、浙江省政府委員、国民党政府立法院委員、立法院経済委員会委員長、財政委員会委員長、中央大学、交通大学教授となりました。抗日戦争期間中、重慶大学教授兼商学院の院長を担当し、国民党の経済政策を批判したことで監禁されました。抗日戦争の勝利後、中華商工専門学校の教師として、愛国の民主運動に参加しました。
新中国成立後、中央人民政府委員兼政務院財政委員会の副主任委員、華東軍政委員会の副主席、浙江大学、北京大学の学長、中国科学院哲学社会科学部の委員を歴任。50年代、計画出産政策を実施し、人口の素質の高めるのを中心とする「新人口論」と総合的かつ比率均衡で経済を発展させる理論を発表して、批判されました。そして、1960年、北京大学学長を辞めました。1979年に、名誉が回復され、北京大学名誉学長、中国人口学会名誉会長となりました。主な著作は「馬寅初講演集」、「馬寅初経済論文集」、「経済学概論」、「戦時経済論文集」、「新人口論」などです。
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