ところで白酒は蒸留酒ですが、中国の南方にも蒸留酒はたくさんあります。で、今日は、桂林の三花酒のことを少しお話しましょう。
桂林は山水画の古里として知られていますね。中国西南部の広西イワン族自治区の景勝地として毎年多くの内外の観光客がここを訪れています。三花酒の『三花』はといいますと色々といわれています。ある説では、このお酒は三回蒸留し、酒の入った酒瓶を揺らすと無数の細かい"花"(ファー)つまり、泡が幾層も出てくるので、はじめは、三回蒸して泡が出る酒という意味の「三堆花酒」と名付けられ、のち略称された「三花酒」となったといいます。また、アルコール度と純度が高いので、酒の入った瓶を振ると、液体の表面にきれいな珠のような泡が次々とうまれ暫くは消えず、この酒は甕に入れても泡が出、コップやお椀に入れても泡、つまり中国語で花が出ることから「三熬堆花酒」ともよばれたそうですが、のちにやはり略称され「三花酒」となったといいます。ちょっとややっこしいですね。なんか同じような解釈みたい!
桂林三花酒は上等なお米を原料とし、少しの乗黷?gって発酵させます。乗黷ノは桂林特産の薬草を入れ、20数時間発酵させてから更に一週間発酵させます。その後、蒸留して酒をとり、やっぱり蒸留するから蒸留酒でしょうね。これを洞窟に一年から三年間寝かせておいてから出荷されるんですって。
ところで、桂林の三花酒は宋の頃から、つまり今から1000年ほど前に、南のかなりところでのまれていらたしいんです。でも、その当時は三花酒とは言わず、『瑞露』と言っていました。
当時の詩人範大成という人はその著作『桂海虞衡志』で、「桂林にきて、瑞露を飲み、酒の妙ことごとく尽され、その名声を湖広に広がる」と書いています。ここでいう湖とは湖南、広とは広東のことでしょうか?で、この範大成、詩人であり、書道家でもあるのですが、よくお酒を飲むらしく、役人や金持ちに呼ばれて酒をご馳走になることが多い、うらやましいや!でも、美味しいお酒はまだ飲んだことは非常にすくないと愚痴をこぼしていたそうです。で、ある日、かなり美味しい酒にめぐり会い、「これはうまいのう!」といって誉めました。ところが彼は、桂林で瑞露を口にしていますので、この金蘭という酒もいいがやはり瑞露にはじぇんじぇん及ばないと言って、桂林の瑞露をべた褒めしたそうです。どうして?
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