このほど2008年世界室内陸上選手権がスペインのバレンシアで開かれました。中国勢は金メダル1個、銅メダル1個を獲得し、20年前から今大会に出場して以来、最高の成績となりました。これは中国の選手たちが冬合宿で養った力を十分に発揮した結果とされています。
男子60m障害に出場した、中国の劉翔が、7秒46と言うタイムで見事に優勝を果たしました。試合後、劉翔は、「今の時点では、タイムや順位は余り気にしていない。一歩一歩、着実に目標に向けて、歩みを進めることだけだ。自分自身の走りをすればいいと思う」と語りました。
劉翔のコーチである孫海平さんは、レース後、「冬合宿では、特にパワートレーニングに力を入れたが、その成果が出た」と振り返りました。
ほかにも、今大会で素晴らしい成績を上げた選手もいます。女子砲丸投げで中国の李梅菊選手は19メートル09で銅メダルを獲得しました。また、劉翔のチームメートでもある史東鵬選手も、男子60メートル障害に出場し、決勝進出はならなかったものの、今シーズンの自己ベストを記録しました。このほか、女子三段跳びで中国の謝ライ梅はベスト8に入り、女子3000メートルで薛飛が自己ベストを更新するなど、中国勢は、それぞれ目標をクリアすることができました。この成績について、陸上中国代表の馮樹勇総監督は、「謝ライ梅、李梅菊などは、練習の成果をしっかり発揮してくれたと思う。ただ全体から見れば、我々の室内レベルはまだまだという印象だ。これは、我々が抱える長年の課題でもある。一部の種目は成果が十分に見えているが、そうでないところもある……今回の彼らの成績は、冬合宿で得たものが発揮できたと同時に、課題も発見できた。今後どういう方向に努力していくかが明確になった大会だったと思う」と語りました。
あと5ヶ月ほどで、いよいよ北京オリンピックが開幕します。各国の選手は今回の室内陸上選手権を通じて、オリンピックに向けた調整を行いました
確かに中国陸上は劉翔の素晴らしい成績が目立ちますから、強さばかりが見えてきますが、実はそれ以外の種目はまだまだ課題が多いといえます。かつては中長距離で世界を席巻した中国陸上ですが、今はその強さの見る影もないというのが現状なんです。今の中国の課題は、劉翔にプラスアルファして、世界で好成績を挙げられる選手を出せるか……まさに今、中国陸上界は非常に危機感を持って、オリンピックを待っているという状況です。
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