中国のCBA、つまり、中国プロバスケットボールリーグは11年の歴史があります。CBAは、現在、アジアで最もレベルの高いバスケットリーグになっています。3月17日、金曜日、午後、2006年CBAオールスターウィークエンドが上海体育館で開幕しました。三日間にわたって開かれたこのイベントは、CBAのオールスターゲーム、ファン感謝祭という二つの部分からなっています。

　今年はオールスターゲームに加えて、ファンが自ら楽しめる内容がとても豊富で、試合メインというよりも、バスケットボールを通じたお祭り・・のようなイベントとなりました。

　この中で、ファン自らが参加できるイベントとして、３オン３、つまり、3人対３人で戦うミニバスケットゲームは、特に若者を中心に人気を集めていました。三日間で、数万人のバスケットファンがこれに参加し、参加チーム総数は200以上となりました。

　上海体育大学の陳佳頴さんは、この３オン３に出場しました。「私たち4人は上海体育大学の学生です。2連勝で明日の準決勝進出を決めました。このイベントは大好きです。日ごろは観客席から見ているバスケットコートで、プレーできるのが嬉しいですね。」大学一年生の彼女たちはゲームでの活躍が認められ、今回の3オン３のスターに選ばれました。

　今回CBAウィークエンドのスローガンは「IT'S YOUR TURN,YOU ARE THE STAR!」　つまり、「出番です！あなたがスターになる」というとても魅力的なものです。でも、それよりもっと魅力的なのは、賞金つきのフリースロー合戦！つまり一定の場所からボールを投げ入れて、どれだけゴールに入れられるかを競うゲームです。 

　そのゲームの名前は中国の四字熟語の「一テイ千金」と言いますが、お金を一気に沢山使う意味です。しかし、ここでの意味は逆で、テイというのは中国語で投げるという意味で、シュート一つで千のお金をもらうという意味となります。優勝者は1万元の賞金をもらうことになります。日本円にしますと、15万円ほどですが、これは一般的な上海市民の2ヶ月か3ヶ月の給料に相当する額です。

　結局、このシュート個人戦で勝利したのも大学生でした。上海のある大学の二年生で、曹希さんです。　　

　「ただの偶然でした！とてもラッキーだと思います！」この奨励金をどうやって使うかという質問に、曹希さんは、「いまそこまで考えていないです。ボーとしています！」と興奮していました。

　ところで、18日夜には、今回のメインイベント、オールスター戦が行われました。CBAの各チームが北と南に分かれて戦っていました。

　この年に一度のバスケットの祭典には、去年中国で最も人気を集めた歌手、その声を評して「スーパーボイス」といわれている新人張リョウ頴さんも駆けつけました。結果として、南方チームが93:90で勝利しましたが、この試合の最中に非常に印象的な光景がありました。北方チームのメンバーで、アメリカNBAでのプレー経験もあるバトル選手がブレークタイムで会場にやってきた子供達に丁寧にプレーの指導をしていました。ファンを大切にする彼の思いが伝わり、ファンたちは大きな歓声をあげて応援していました。

　そのほか、バスケットベイビーと呼ばれる女の子達の出演も会場内を盛り上げました。演出自体はNBAのオールスターウィークエンドによく似ていますが、NBAとどこかが違う、アットホームな雰囲気を感じさせるのが、中国のCBAなんです。

　中国のバスケットボール人気というのは、もちろんヤオミン選手のアメリカでの活躍というのもありますが、こういうファンとともに楽しむ、そしてファンを育てる努力、というのがあってこそ、なんでしょう。（編集：王丹丹）