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中国ロック30年の軌跡(前編)

2016-12-09 20:47:50     cri    

 2016年が終わりに向かう中、今年一年を振り返ってみると、北京では異彩を放つイベントがいくつも行われました。今年は中国大陸でロックが誕生して30年目となる節目で、北京、上海、広州などの大都市は相次いでロックのコンサートを行い、中国ロック30年の軌跡を語る音楽会は、中年のロックファンたちに青春の日々を思い起こさせました。中国メロディーでは、今回から3回にわたって中国のロック音楽をご紹介していきます。

 中国ロックの誕生

 1986年5月9日、中国100人の歌手が参加する国際平和年の記念コンサートが北京労働者競技場で開かれ、当時は無名の若手歌手がボロボロのギターを持って、わざとズボンの片方の裾を巻いたままに舞台に登りました。そして、彼のまるで怒鳴るような歌声はその場にいたすべての観客を驚かせ、最初の数分間、観客たちはあっけにとられてしまいましたが、その後、嵐のような拍手と歓声が競技場の中に響き渡りました。

 この若手歌手は後に中国ロック界の父と呼ばれる崔健(ツイ・ジェン)で、当時、彼が歌った「俺には何もない(一無所有)」という歌は中国ロックの先駆けであり、この日が中国ロックの誕生日だと言われています。

中国ロックの先駆け

  当時、文化大革命が終わり、改革開放時代が始まったばかりの頃、ロック音楽は海外ポップス音楽として中国の大学生の間でひっそりとブームになっていました。ロック音楽は10年間にわたる文化大革命に束縛され、抑えられた中国人の情熱と切望を最大限に解き放ってくれたことから、若者の間で高い人気がありました。北京第二外国語学院の大学生によるロックバンド「千里馬王」はこんな背景の下で誕生し、中国大陸の初のロックバンドとなりました。

 

 また、ツイ・ジェンが1989年にリリースしたアルバム「新长征路上的揺滾(新しき長征の路を行く)は中国初のロックアルバムとなりました。これはツイ・ジェンの中国ロック音楽界の父としての地位を築くと同時に、中国ロックの辛く苦しい長征の始まりをも意味していました。

80年代ロックのシンボル

 1980年代、ポップス音楽のカセットテープを売る三輪車屋台が中国の都市の至る所にありました。テープレコーダーからは、いつも香港や台湾のポップス音楽が流れていました。これらの音楽のほとんどは、欧米や日本の音楽をカバーしたものでした。そのため、ツイ・ジェンの音楽の登場がこの状況を打ち破ったことに疑いようはなく、音楽のジャンル、オリジナル性という面でも、当時の中国音楽界に大きな衝撃をもたらしました。

 

 いま、30年という歳月を振り返ってみると、ツイ・ジェンを初めとする中国大陸のロックの先駆けとなった歌手たちは、強い使命感を持ち、その世代の若者達の道先案内役となって、その時代のロック精神のシンボルだったと言えるでしょう。

番組の中でお送りした曲

 1曲目~ 一無所有 (俺には何もない)

 この歌はツイ・ジェンが自ら作詞作曲し、歌ったもので、中国ポップス音楽の代表的な作品です。中国社会が激しく変貌する80年代に多くの若者が現実に困惑し、失望し、落胆する気持ちを表しました。

 歌詞:

 俺はかつて、同じ質問を何度もしていた

 お前はいつ俺と結婚してくれるんだ?

 それなのにお前はいつも俺を見て笑っていたね

 あなたには 今は家も何もないと

 俺はお前に俺の理想を捧げたい

 そして俺の自由すら捧げたい

 お前はいつ俺と結婚してくれるんだ?

 2曲目~ 新长征路上的揺滾(新しき長征の路を行く)

 ツイ・ジェンの怒鳴るような歌声が若者たちの心の声を歌い、そのスローガンのような歌詞もとても迫力があります。命について深く考えさせられる作品です。

 歌詞:

 天に聞いてみる 地に聞いてみる あとどのくらいの距離があるんだ

 風に頼んでみる 雨に頼んでみる さっさと俺から遠のいてくれ

 山も多く 水も多く 東も西もはっきりしない

 人も多けりゃ 口も多く 道理もはっきり語れない

 どうやって話して どうやってやれば はじめて本当の俺なのか

 どんな歌を どうやって歌えば この心は納得できるのか

 歩きながら 考える 雪山と草原

 歩きながら 歌う 指導者毛主席

 おお 1,2,3,4,5,6,7

 3曲目 花房姑娘(温室の娘さん)

 この歌はツイ・ジェンの最もロマンチックな作品です。彼の怒鳴るような反抗精神に溢れる音楽作品と違い、この歌は恋愛中の人々の心の中の衝動ともつれを表しました。

 歌詞:

 俺は独りでお前のそばを通り過ぎる

 べつにお前に話すこともない

 俺は顔を上げて見る事が出来ない お前の顔

 お前は俺にどこに行くのかと尋ね 俺は海の方を指差す

 お前の不思議に思う様はまるで俺への賞賛

 お前は俺を連れてお前の温室へ入って行き

 俺は花の惑わす香りから逃れられない

 俺はいつの間にか忘れちまった 行くべきところ

 お前は俺がこの世で一番強固であると言い

 俺はお前がこの世で一番善良だと言う

 俺は知らず知らずに花と 同じ

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