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駅から語り継がれる物語

2016-04-08 18:31:46     cri    


ナビゲーター 黄競

 四月の北京、春のうららかな陽気の中、かぐわしい花や新緑の若芽、鳥たちの楽しい鳴き声もどこを見渡しても生気溢れる春の景色です。長い冬を経てやってきた春の自然は私達にすがすがしいプレゼントを贈ってくれます。

 このほど、JR北海道の旧白滝駅が一人の女子高生の通学のためだけに駅を存続するというエピソードは、多くの中国メディアに報道され、関心を集めました。また、この一人のためだけに開かれた駅の話は多くの中国人を感動させました。今回の中国メロディーは駅にまつわるエピソードとともに音楽をお届けしましょう。

宿場に響く惜別の歌「陽関三畳」

 中国では元の時代の前は、站(駅)は「驿」と呼ばれ、交通の要衝で官吏や旅人の宿泊や荷物運搬の人馬を中継ぎする場所でした。そんな宿場は友人や恋人、家族を見送る大切な舞台となり、多くの送別の詩句はここで生まれました。

 例えば、唐の名詩人王維の七言絶句「送元二使安西(元二の安西に使いするを送る)」は安西へ派遣される友人・元二との名残惜しい別れの場面を描いています。また、この七言絶句を題材にした名曲「陽関三畳」は中国古典音楽の代表曲として、送別の際によく歌われたものです。

 送元二使安西(元二の安西に使いするを送る)

 渭城の朝雨 軽塵を浥し

 客舎青青柳色新たなり

 君に勧む 更に尽くせ一杯の酒

 西のかた 陽関を出づれば 故人無からん

川の駅の送別恋歌~「走西口」

 「川の駅」は中国古代の駅文化の重要な一部で、中でも最も有名なのは、中国の母なる川・黄河両岸の渡し場でしょう。また、それぞれの渡し場はそれぞれの物語を生み、人々の悲しみや喜び、出会いや別れを見守ってきました。

 山西省河曲県に伝わる民謡「走西口(西へ)」はそんな黄河の渡し場を舞台にした有名なラブソングです。17世紀後期、山西省の多くの地方は数年続く歴史的な干ばつのため、地元の多くの人々は故郷を離れざるを得なくなり、西へ向かうようになりました。この人口大移動は「走西口」と呼ばれます。西へ行く人はほとんどが若い男性達でした。民謡「走西口(西へ)」は女性たちが夫、恋人を見送る気持ちを歌っています。この歌は今なお、数百年にわたって歌い継がれています。

番組の中でお送りした曲

1曲目~「陽関三畳(ようかんさんじょう)」

 「陽関三畳」という古曲は王維の七言絶句「送元二使安西(元二の安西に使いするを送る)」を題材にした名曲です。陽関は甘粛省敦煌市の南西に位置し、古代より孤独な生活を思い詠う地で、この歌によって知られるようになりました。三畳とは繰り返し歌うという意味です。この曲は中国古典音楽の代表曲として、送別の際によく歌われたものです。

2曲目~ 「走西口(西へ)」

 民謡「走西口(西へ)」は女性たちが夫、恋人を見送る気持ちを歌っています。乙女が恋人と別れる時に優しく送り出すも断腸の思いに駆られる悲しみを表しています。この歌は今なお、数百年にわたって歌い継がれています。

歌詞:

あなたは西へ行く

私には引き止めることはできない

あなたに言いたいことがある

ねえ、よく覚えていて

歩くなら、広い道を歩いてね

小道は避けてほしい

広い道は歩く人が多いから

彼らとお話すれば、さびしくないでしょ

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