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北京の新しい一日
ナビゲーター 黄競
太陽が東から昇り、朝日が道路や町を走るバス、自動車それに慌ただしく学校や職場に向かう人々を照らす頃、北京の町が動き出します。今回の中国メロディーは、北京の新しい一日をテーマにお送りします。
早朝の北京のバス停
朝の光を浴びながら、家を出てバス停に向かって歩いていると、乗り場近くに並ぶ屋台の美味しそうな香りに誘われて、ついついこんな食べ物を買ってしまいます。これは北京の有名な軽食「油条」という細い揚げパンの様な物です。油条と豆乳は多くの北京市民、特に、通勤する人々の朝ごはんの定番となっています。油条のほかには小龍包、天津煎餅などもあり、美味しそうな匂いと朝ごはんが乗客たちとともに暖かいバスへと乗り込みます。
北京のバス~移動する小さな舞台~
バスはまるで移動する小さな舞台のよう。この舞台では毎日、一般市民の喜怒哀楽の物語が上演されているからです。また、朝の混雑したバスの中では高齢者の姿が良く見られます。北京では65歳以上の高齢者はバス料金と公園の入場料金が無料です。早朝からバスに乗ってトレーニングに行くお爺さんや市場へ買物に行くお婆さんは北京のバスならではの風景となっています。
小さな舞台の物語
しかし、朝の混んだバスの舞台の主役はやはり通勤する人々、そして通学する学生たちです。2014年の人気映画「北京愛情故事(北京ラブストーリー)」の中に出てくる高校生・劉星陽と宋歌の純愛の物語は、そんなバスを舞台にして繰り広げられます。いつも同じバスに乗る高校生2人は知らず知らずのうちに惹かれあい……少年少女たちの純粋な恋はこのバスから始まりました。
混雑した地下鉄、若者が夢を叶える最初の一歩
初めて北京を訪れた人が、もしも朝晩の通勤ラッシュに遭遇し、超満員の車両と混雑した地下鉄の駅の様子を見たら、驚いて何も言えなくなってしまうのではないでしょうか? 地下鉄が進むたびに人が乗り込み、どんどんと押しつぶされていきます。そんな様子を「挤成相片(人に押されて写真のように薄くなってしまう)」と言われています。これが北京の地下鉄の毎朝の風景です。
北京の地下鉄は若者の世界に溢れています。芋を洗うような混雑した車両の中には、全国各地から北京に来た若者たちがいます。愛する故郷、家族と離れて、北京の混雑した交通機関と高い家賃に耐えながらも、それぞれ夢を持って北京で頑張っています。多くの若者にとって北京は夢が飛び立つ始まりの場所と言えます。北京の地下鉄は、夢を叶える最初の一歩なのかもしれません。
番組の中でお送りした曲
1曲目~ 故郷是北京 (わが故郷、北京)
この歌は旅人が故郷・北京の風景や豆乳、油条などのグルメを懐かしみながら歌っています。
2曲目~ 心酸 (悲しみ)
歌詞
果てしなく続く道 本当はこんなに短かったのか
走りきれない広い運動場 本当はこんなに小さかったのか
目を閉じると 16歳の夕日が僕たちと同じような美しさだった
3曲目 地鉄情歌(地下鉄ラブソング)
この歌は地下鉄の車内の混雑した様子を面白おかしく歌い上げています。
歌詞
四恵東駅方向へ向かう地下鉄がまもなく駅に到着します。
皆さん、靴紐とベルトをしっかりお結びください
混雑した車内では靴纽とベルトをほどかないようにお気をつけください
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