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タン・ドゥンの音楽世界(後篇)

2016-01-05 17:17:51     cri    

ナビゲーター 黄競


 現代中国を代表する作曲家・指揮者のタン・ドゥン。彼は音楽に対して発想が豊かで、どんなものでも楽器にすることができるのです。彼の手にかかれば水も、紙も、陶器もいずれも美しいメロディーを奏でることができます。今回の中国メロディーは引き続きタン・ドゥンの音楽世界を覗いてみましょう。

音楽の源を探索

 タン・ドゥンは長年フィラデルフィア交響楽団やボストン交響楽団など、いくつもの世界トップレベルのオーケストラで指揮し、自分の優位性は血の中に流れる東洋文化にあると考えました。

 子供時代、農村での暮らした記憶は、創作活動の源となり、地方の民謡や水、陶器、紙など自然界の万物は、音楽の要素となりました。また、中国の古代思想家・老子の「大音希声」つまり「最も広大で美しい音楽は静寂の中にある」という理念が、タン・ドゥンの創作活動を大いに啓発しました。

奇想天外な音楽

 タン・ドゥンは湖南省の農村で暮らした経験のある音楽家として、故郷の伝統文化・楚文化に深い思い入れがあります。古い楚文化はタン・ドゥンの音楽に多くの奇想天外なアイデアを与えてくれます。 

 妻が妊娠数か月の時にタン・ドゥンは超音波で羊水の中に微かに揺れる赤ちゃんの様子を見て非常に感激し、「水樂(水の曲)」という交響曲を創作しようと決意していました。出産後、妻が子供を抱いて病室を離れる時、タン・ドゥンは妻と長男のためにバイオリンでこの曲の第一楽章を奏でました。

美しい「女書」を世界と分かち合う

 「女書」はタン・ドゥンが作曲した新しい音楽作品です。「女書」はそもそも、湖南省永江地方で女性同士の親友や姉妹や親子の間で代々伝わる古い文字であり、また、女性の感情の世界を記録する文字でもあります。タン・ドゥンはこの「女書」の美しいリズムに魅了され、それをテーマにして「女書」交響曲を創作しました。ここ数年、フィラデルフィア交響楽団がこの作品を世界各地で公演し、世界の交響楽界から好評を得ました。

 

 タン・ドゥンは「芸術を愛する民族はきっと偉大な民族だ。外の国の人々がこうした民族と付き合うことを願い、また、この国の文化を宝物として自分の心の奥深くで大切に感じてもらいたい。私は中国の最も美しいものを世界各国の人々と分かち合うことを期待する」

番組の中でお送りした曲

 1曲目〜 紙楽(紙の曲)

 この曲は演奏者が紙を楽器に、様々な音を出し、自然界の雷や暴雨、風などの音を真似て奏でるものです。この曲は音楽というより、パフォーマンスアートと言ったほうがいいかもしれません。

 2曲目〜 陶楽(陶器の曲)

 ステージの床に直接座る演奏者数人が陶器を楽器にし、心を込めて奏でる音楽は、まるで流れる泉の音のようでとても清らかで美しいものです。

 3曲目〜 水樂(水の曲)

 この曲からタン・ドゥン音楽の独特なロマンチックな雰囲気を感じることができます。

 4曲目〜 女書(水の曲)

 タン・ドゥンが世界に残る唯一の女性専用の文字「女書」を基にアレンジした音楽作品で、女性の感情の世界を描きました。

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