中国メロディー、中国のアニメ音楽を紹介してきましたが今回は3回目、最終回です。

葫芦兄弟（ひょうたん兄弟）

　中国のアニメは1960年代の黄金期の後、1980年代のプラチナ期を迎えました。その80年代の末、中国のアニメ舞台にはいくつかのシリーズアニメが登場しました。中でも1986年に公開されたテレビアニメ作品「葫芦兄弟（ひょうたん兄弟）は、高い人気を博しました。

　劇中の勇敢、誠実なひょうたん兄弟は当時子供時代を過ごした人たちにとって忘れられないキャラクターとなりました。濃い眉毛に大きな目のひょうたん兄弟７人だけでなく、悪役だった劇中のサソリの妖怪とヘビの妖怪さえも懐かしい思い出となっています。

宝蓮灯（ほうれんとう）

　1999年に公開された「宝蓮灯（ほうれんとう）」は中国の有名な神話物語を題材に制作されたアニメ映画で、上海美術映画製作所が4年をかけて完成させました。そして90年代、最も人気あるアニメ映画となりました。

　登場人物の描写が単調で変化に乏しいとも言われますが、劇中の美しい主題歌やいくつかのシーンの有名な挿入歌、それに多くの名優の吹き替えなどが映画の魅力に花を添えています。

喜羊羊与灰太狼（シーヤンヤンとフイタイラン）

　1990年代末から日本と欧米の人気アニメが大量に中国に入り、中国のアニメ産業は未曽有の不況に陥り、中国のテレビチャンネルは多くの海外アニメに席巻されてしまいます。

　中国のアニメ産業が非常に厳しい危機に直面していた時、国産アニメ「喜羊羊与灰太狼（シーヤンヤンとフイタイラン）」が2005年の夏休みに誕生します。子供だけでなく、若い人たちも可愛い「シーヤンヤン」や少し意地悪そうな「フイタイラン」に心を惹かれました。現在、この作品は最も放送回数が長い中国アニメの1つとなり、大人気となりました。

　番組の中でお送りした曲

　1曲目～　葫芦兄弟（ひょうたん兄弟の主題歌）

　歌詞：

　ひょうたん兄弟よ、1つの藤に7輪の花

　風と雨に晒されても、かまわない

　ひょうたん兄弟よ、ラララ、力は大きい、ラララ

　2曲目～　天地在我心（天と地は私の心に）

　1999年に公開されたアニメ映画「宝蓮灯」の主題歌。名歌手・劉歓が抜群の歌唱力で7歳の主人公・沈香が母を救うため、山を越え川を渡り、さまざまな苦難を耐え、やがて勇敢で立派な少年へと成長していく様子をうまく表現しました。

　歌詞：

　空の星がなんとも美しい

　でも　あなたがいないから、

　すべてに生気がない

　孤独の深夜に

　あなたを黙って思っているのを知っているのかどうか

　3曲目～　「喜羊羊与灰太狼」の主題歌

　テレビアニメ「喜羊羊与灰太狼（シーヤンヤンとフイタイラン）」のテーマソング。

　歌詞:

　ぼくを只の羊と舐めるなよ

　草は僕のおかげでより芳しくなる

　空が僕のおかげでより青くなる

　白い雲が僕のおかげでもっと柔らかくなる

　ぼくを只の羊と舐めるなよ

　羊はとんでもなく賢いのさ