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中国のアニメ映画は1960年代に最初の黄金期を迎え、「小蝌蚪找媽媽(お母さんを探すオタマジャクシ)」、「大鬧天宮(孫悟空大暴れ)」などの名作が誕生しました。その後、10年間にわたる文化大革命の睡眠期を経た後、1980年代に復興期を迎えました。この時期はプラチナ(白金)期と呼ばれています。中国メロディー、今回はこのプラチナ期の音楽を紹介していきます。
「哪吒鬧海(ナーザの大暴れ)」
1979年に公開された「哪吒鬧海(ナーザの大暴れ)」は中国初のワイドスクリーンアニメ映画です。長さ59分のこの映画は、当時10年にわたる文化大革命で抑圧されていた中国アニメ人の才能と情熱が噴火した作品だと言われました。
中国的な悲劇をリアルに表現した作品の中で主人公・ナーザが自殺する場面は、当時の観客が、みな涙を流したと言っても過言ではないほどの印象的な場面です。
阿凡提的故事 (アーファンティのとんち話)
アニメ映画の傑作「阿凡提的故事 (アーファンティのとんち話) 」はシリーズものの人形アニメです。映画はウイグル族に伝わる阿凡提 (アーファンティ) が主人公のとんち話です。
アーファンティはウイグルやカザフなどの少数民族に伝わる機知にたけた人物で、彼が横暴な権力者たちをやりこめる面白しさは、一休さんや吉四六とよく似ています。アーファンティが飄々とロバに乗るイメージはユーモア且つ風雅な雰囲気を感じさせ、特に子供たちに大人気です。映画の中には、多くの有名なとんち話があります。
山水情(琴と少年)
水墨画アニメは中国の独特なアニメ芸術です。1988年に公開された「山水情(琴と少年)」は水墨画アニメの代表作品で、水墨画ならではの繊細な美しさがあります。また、全篇を流れる古琴の優雅な調べも、作品の格調を高めるのに一役買っています。この作品は水墨画アニメ映画の絶品と称えられ、1988年の第1回上海国際アニメーション映画祭で、審査員特別賞を受賞しました。
番組の中でお送りした曲
1曲目〜 哪吒誕生(ナーザの誕生)
アニメ映画「哪吒鬧海(ナーザの大暴れ)」の挿入曲。中国の伝説に登場する陳塘関の武官・李靖の妻は3年6カ月も身ごもった後に、肉の塊を生みました。李靖はこの丸い肉の塊を妖怪だと思い、剣で切りました。すると中から元気いっぱいの小さな男の子・ナーザが出てきたのです。活発で可愛いナーザは、たちまち周りの人々に可愛がられるようになります。
この挿入曲「哪吒誕生(ナーザの誕生)」は父の李靖が息子ナーザの誕生に初めは驚き、戸惑った様子とナーサが人々に喜びを与えている様子を生き生きと描いています。
2曲目〜 哪吒鬧龍宮(ナーザ龍宮大暴れ)
アニメ映画「哪吒鬧海(ナーザの大暴れ)」のもう1曲の挿入曲です。この曲は師匠・太乙真人の助けでナーザが東海龍王の水晶宮で大暴れし、最後に竜王を敗り、地元の人々のために悪を除く場面での音楽です。銅鑼と太鼓など伝統楽器がナーザと竜王の激しく戦う場面を再現しています。
3曲目〜 人々叫我阿凡提(みな私をアーファンティと呼ぶ)
アニメ映画「阿凡提的故事 (アーファンティのとんち話) 」の主題歌です。ウイグル族の独特な伝統音楽とユーモアあふれる歌詞は聞く人を不思議な童話の世界へ誘います。
4曲目〜 水墨画アニメ(琴と少年)
アニメ映画「山水情(琴と少年)」の挿入曲です。少年が旅人と別れる時に奏でた古琴の調べです。少年の奏でる琴の音と、河の流れのアニメーションが見事に融合しています。そして、中国の悠久の情景を描き出すと共に、老人の旅人が少年に伝えたように、少年が老いたときに、この芸の伝承がまた繰り返されるだろうという予感を見事に表現しています。
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