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No.006 キーワードチャイナ 腊八&北上广

2018-01-24 14:30:30     cri    

 キーワード①

 【腊八】(làbà)[名]旧暦の12月8日、ろうはち.

 由来

 「腊」は「腊月」、旧暦十二月の別の言い方。「腊八」として十二月八日を意味します。

 「腊」の字はそもそも干物の意味で、旧時には12月になると、来年の豊作を祈るため、神様に干物を供えて祭るイベントを行い、それを「腊祭」と呼びました。秦の始皇帝の時代、この「腊祭」を行う月を「腊月」と呼ぶようになったとされます。祭る日は道教の計算による日なので、一定しませんでした。そこで供えられたのは8種の自然神、穀物という説があり、こうした数に由来し、八日の日に定着したものとされます。

 他にもお釈迦様が苦行のすえに飢餓に倒れたのが「臘八」の日で、その日に出会った羊飼いの娘スジャータが差し出した「羊乳(ゴートミルク)の粥」を食べたことで体力が回復し、悟りを開き、ブッダとなった、という話があります。この降魔成道の日がこの日で、そこから「腊八粥」が広く食べられるようになった、という伝説があります。

 時代は下って宋の時代、都のそれぞれの寺院で、お釈迦様が悟りをひらいた日である12月8日で行われた成道会で「七宝五味粥」を供えたり、信仰者に贈ったりしました。この「七宝五味粥」はまさに「腊八粥」のことで、この行事が一般化し、民間でもこの日に「腊八粥」を供えるようになったと言われます。

 腊八粥

 北京の「腊八粥」は最もこだわりが見られ、米以外にもナツメ、ハスの実、クルミ、栗、杏仁、松の実、干した竜眼、干しブドウ、ギンナン、干した青梅の千切り、干したバラの花びら、小豆、ピーナツなどを一緒に煮込みます。また、この具は地方ごとに異なり、20以上のバリエーションがあるとされます。

 食べる際には、前日に洗米し、水で戻し皮を剥いた干しフルーツを米とともに夜中のうちから弱火で煮込んで、翌朝に食べます。現代社会ではそれほど時間的余裕がないことから、前日、寝る前に下ごしらえをした食材を炊飯器に入れ、タイマー予約をして、翌朝に食べられるようにする家庭も多いようです。最近では、スーパーの店頭で適量の食材をパックにした「腊八米」を売っているとかで、どんどん便利になっています。出前アプリを利用して、お店に届けてもらうこともできます。

 なお、「腊八粥」は砂糖を入れて食べるイメージが強いのですが、塩を入れる地域もあります。北方では、穀物のほかに、干しフルーツなどを入れることが多いですが、南方では、野菜や新鮮な果物を使うお粥もありますし、「腊八蒜」、「腊八豆腐」、「腊八面」など、加工される主体にもバリエーションもあります。この季節に中国を訪れる機会がありましたら、是非一度お試し頂ければと思います。

 キーワード②

 【北上广】(Běi-Shàng-Guǎng)[名]北京・上海・広州.

 意味

 三つの都市の頭文字を並べた言葉です。この三都市は中国で最も影響力を持つ都市で、最も生活コストが高い都市でもあります。最近では、深センも含めて「北上广深」という場合もあります。

 北京は首都で政治の中心、上海は金融や貿易が発達した経済中心、広州は珠江デルタ地帯の中心地で、香港にも近いことから、貿易が栄えています。最近、ITや新興産業の盛り上がりの激しい深センが広州を追い越したような感もあります。

 「北上广」には色々なビジネスチャンスがあることで、全国の若者を引き付けています。しかし、全国の若者が集まっていることで、物価や不動産の価格も全国で最も高い都市となっています。そのため、ちょっと前には「逃离北上广(北京・上海・広州から逃避する)」という言葉がネット流行りました。不動産価格の高騰によって、生活のプレッシャーが増す一方、残業などが日常茶飯事で、一所懸命に頑張っても生活費は賄えないと言う厳しい現実が突き付けられました。そこで、これらの都市から抜け出し、他の都市に活路を見出そうとする動きが出てきたわけです。

 しかし、中国では今、全国的に都市化が進んでおり、例え「北上广」から抜け出して地元に戻っても、結局、地元でも不動産価格もあがり、空気も汚れ、渋滞が多くなるという、いわゆる「都市病」が広がっており、逃げ場所がなくなっています。

 日本も中国も、なかなか難しい時代に差し掛かっているようです。

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