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No.058 キーワードチャイナ 代表通道

2017-10-21 14:04:19     cri    

 今月18日、中国共産党第19回全国代表大会が開幕しました。一週間にわたる会期中には、広くマスコミの取材に便宜をはかるため、歴代の大会では初めて「党代表通道(党員代表取材コーナー)」が設けられました。このコーナーでは、大会の開幕日、翌日の朝、そして閉幕30分後に、フェイス・ツー・フェイスの取材の機会が設けられます。

 ここで、中国共産党の党大会が情報発信を目的とする「党代表通道」を設置するまでの歩みを振り返ってみましょう。

 公開資料によりますと、中国共産党の全国代表大会は秘密開催だった時期が有り、近年になって徐々に開放的になってきたものとされます。

 浙江省の嘉興にある南湖に浮かぶ遊覧船で開かれた記念すべき第1回党大会から第5回に到るまでの党大会はほとんどが秘密裏に開かれました。その後、第6回大会はなんとモスクワで開催され、会議の情報は電報で国内に送られました。

 中国共産党が積極的に党大会の情報を外部に発信するようになるのは、その次の回に当たる第7回大会からのことです。1945年に開催された第7回大会では、開幕後に対外報道を行いました。1956年に開かれた第8回党大会では、各決議を対外発信、第9回は開幕の情報発信こそ遅れたものの、閉幕後にはプレスコミュニケを発信しています。

 70年代も終わりに近付き、改革開放政策が実施されようになると、党大会のメカニズムも規範化され、情報発信はよりオープンで透明度を増すようになります。

 まず、大会の議事日程の発表が定例化されるようになりました。第12回党大会以降は、会議後に決議を発表するほか、予備会議、議長団会議、開幕や閉幕の会議など、各会議の議事日程が終わった後には情報を発信するようになっています。さらに、第12回党大会では初めて報道官を起用し、記者会見で大会の議事日程や選挙状況などについて説明を行うようになりました。ここから、党大会の報道官制度が定着するようになります。

 また、この頃から、大会の情報発信の形も多様化の様相を見せるようになります。1987年の第13回党大会では、その閉幕に伴い、新しく選出された中央政治局常務委員がお披露目会見を開くようになりました。このやり方は今でも続けられています。そして、第15回党大会からは、一部代表団の議論がマスコミに公開されるようになり、第16回になると、中央国家機関代表団の議論も公開されるようになります。公開対象の代表団は、第17回と第18回大会には34にも上っています。

 なお、党大会のプレスセンター設置は第13回大会からのことで、今や、党大会の情報発信窓口となっています。

 こうした党大会の公開度合いの高まりにしたがい、取材申請を行う報道機関や記者の数も増え、第19回に当たる今大会では、およそ3068人に上る国内外の記者が取材申請をしたということです。

 これまでの党大会のキーワード

 現在開催中の大会は第19回党大会ですから、中国共産党は過去96年の道のりで合わせて18回党大会を開いてきたことになります。そして、これまでの18回の大会には、それぞれにキーワードがあったことをご存じでしょうか。今日はその流れを簡単におさらいしてみましょう。

 1921年に開かれた第1回党大会のキーワードは創立、立ち上げを意味する「创建(chuàngjiàn)」で、そこでは共産党の創立が宣言され、名称や綱領が明確に示されました。第2回大会では、最低綱領と最高綱領が明らかにされ、党規約である「党章」が制定されました。第3回大会では国民党と共産党の協力を意味する「国共合作」が唱えられ、第4回大会では無産階級の民主革命における主導権がうたわれ、第5回には、党内で「民主集中制」を実施することが固められました。

 唯一海外で開かれた第6回党大会のキーワードは「总结经验」(経験を総括せよ),第7回大会では公式評価として「团结的大会、胜利的大会(団結し成功を納めた大会)」と言うキーワードを生みだすと共に、毛沢東思想が確立されました。

 1956年に開催された第8回党大会のキーワードは「科学判断国内主要矛盾(国内の主な対立について合理的判断を下す)」となりました。

 その後、「文化大革命」も終わり、中国が新しい時代に入ると、党大会のキーワードもそのスタイルを一変させます。1977年の第11回大会のキーワードは「在本世纪内把我国建设成为伟大的社会主义现代化强国(今世紀中に我が国を偉大なる社会主義の近代化強国に築きあげよう)」と言うもので、1982年の第12回大会では、「建设有中国特色的社会主义(中国の特色ある社会主義を建設する)」となりました。その後の党大会のキーワードは全て近代化建設を中心とするもので、中国の事情をよくご存じの方には理解して頂けるものと思います。

 これらのキーワードは、時代を反映するだけでなく、当時にしてみれば、未来を暗示するものでも有りました。そして、今開催中の第19回党大会から生みだされるキーワードからも、中国の未来予想図が見えてくることが考えられます。大会の行方に是非ご注目下さい。

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