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「小雪の日香亭弟が灰鼠裘を贈らる」袁枚

2016-12-15 16:58:31     cri    


 早いもので、12月も折り返しまで来ました。11月に少し雪が舞いましたが、それ以降は比較的穏やかな日が続いていました。でも、さすがにここに来て、寒さも本格化し北京の冬用のひざ下までの長いダウンコートを着ている人が増えました。セーターを脱ぐときにビリビリとする静電気の季節でもあります。さて、今日は暦を少し遡って袁枚(えんばい)の「小雪の日香亭弟が灰鼠裘を贈らる」を紹介します。

 作者、袁枚(えんばい)は清の詩人。浙江省銭塘の人。役人になり地方官を歴任しましたが、地方を転々する生活に嫌気がさし、40歳頃に官を辞し、以後は悠々自適の生活をおくりました。今日紹介する詩は、食通としても知られる作者が65歳のときの詩です。タイトルの小雪は二十四節気の1つ、立冬の次の節気で11月下旬頃でした。香亭は作者袁枚の弟のこと。灰鼠裘は濃い灰色の毛の色のリスの毛皮で作ってコートのことです。暦どおり小雪が降ってきた頃に弟が、軽いリスの毛の毛皮のコートを送ってくれたことを喜んでいます。当時、これは高級品だったと言います。妻や子どもに着たところをほんの少し見せると言うのが、なんとも微笑ましく感じます。7句目に出てくる「晏相」は春秋時代の人で、節約を実施し世を治めた斉の国の名臣晏嬰のこと。彼がキツネのコートを30年着用したと言われていることを引き合いに出しています。高級なコートだったから、と言うよりもタイミングよく、つまりいつも自分のことを心にかけてくれて寒さが厳しくなるだろうころに弟がコートを贈ってくれた、その気持ちが嬉しく、30年後も着続けよう、いつまでも大切にしようと決心したのでしょう。寒い冬、人を温めてくれるのはやはり人の心なのかもしれません。

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