会員登録

「秋浦の歌」李白

2016-09-01 13:12:43     cri    


 北京は日に日に秋の気配が漂ってきています。8月も今日で終わりです。先週一週間、私は世界遺産でもある安徽省の黄山の旅を楽しみました。奇岩、松、雲海、温泉が黄山の四絶、4つの素晴らしいものといわれています。今回は、天気がよすぎて雲海は見られませんでしたが、奇岩に寄添う松の木の緑色が印象的でした。岩と松が同時に楽しめるのが黄山の特徴かもしれません。岩や峰には、その形からいろいろ想像力をはたらかせた名前が付いています。私が中でも印象に残ったのは、「夢筆生花」という峰です。ひっくり返して筆の穂先を上にしたような形をした峰の先に、まるで花束のような形をした松が生えているのです。この峰には、こんな伝説があります。李白が黄山を訪れ、詩を書いたり、もてなされて楽しくお酒を飲んでいたのですが、酔っぱらって詩を書いていた筆を落としてしまいました。その筆は地面にささり、気がつくと大きな峰になって、筆の先が天を向いていたというものです。筆が峰になるというのは、伝説でしょうが、李白が黄山の近くを訪れ作品を残したのは、本当のようです。では、今日は、その李白の「秋浦の歌」を紹介します。

 作者、李白は盛唐の詩人。杜甫、白居易と並んで日本でもよく知られている詩人ではないでしょうか。「静夜思」「早に白帝城を発す」「廬山の瀑布を望む」など有名な詩がたくさんありますが「白髪三千丈」の漢詩もおなじみなのではないでしょうか。これは、今日紹介した17首連作の「秋浦の歌」の15首目の一部で、今日の詩は2首目です。タイトルの「秋浦」というのは安徽省貴池県の西南にある地名で、晩年、54、5歳の李白が放浪の末にたどり着いた地です。黄山も眺めることができるのでしょう。川下りをしながら秋浦の景色を詠っていますが、その奥では都でも活躍した天才詩人李白の孤独な心のうちを描いているようです。学生時代は、いかにも中国らしい誇張表現として、「白髪三千丈」を捉えていましたが、改めて連作17首を最初から最後まで読むと、李白の切ない気持ちがひしひしと伝わります。

関連ニュース
写真トピックス
コメント
今週の番組
今日熱点
快楽学唱中文歌
特集ダイジェスト
LINKS