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「漁翁」柳宗元

2016-07-20 14:18:19     cri    


 明後日は、二十四節気の大暑。大きく暑いと書くだけあって、暑さのピークです。日本なら暑中見舞いのハガキが届く頃でしょうか?それとも、最近はハガキで暑中見舞いではなく、Eメールになってしまったのでしょうか。私が子供の頃の夏の楽しみと言ったら、プールに行くことでした。学校や近所のスポーツクラブのプールは、今思えば全く娯楽性はありませんでしたが、充分、満喫しました。今、私が暮らす北京には、「水上楽園」と言う娯楽性の高いプールがいくつもあります。名前の通り、ただの競泳用の四角いプールがあるのではなく、滑り台が有ったり、人工ビーチが造られていたり、音や明かりでショーアップしているところもあるようです。雰囲気は変われども、夏と水は相性がいいようです。さて、今日は川辺の景色、柳宗元の「漁翁」を紹介します。

 作者、柳宗元は中唐の詩人。河東、現在の山西省永済県の人。若くして進士に合格しますが、宮廷改革を画策し、失敗。左遷されてしまいます。前々回は、柳州司馬に左遷された時の作品を紹介しましたが、今回は永州司馬に左遷された時の作品です。タイトルの「漁翁」は漁師。漁師のお爺さんと言う意味です。清らかな水を汲む「湘」は湘江という湖南省を流れ洞庭湖に注ぐ川の名前です。「楚竹」は、この洞庭湖岸でよく見かける竹の一種。これを燃やして、朝ごはんを作るのでしょう。次に「煙消え」とありますが、この煙は朝もやのこと。「欸乃」は舟唄や舟をこぐときの掛け声、艪の音など。「無心雲相逐」、相、追うのは雲同士なのか、それとも船を雲が追いかけてくるのでしょうか。清らかな川の水、一面の緑、青い空、白い雲、その中を進む船・・・と情景を想像したら、船を雲が追いかけると言う方が一体感があるように思います。作者の柳宗元は左遷されていた訳ですから、その心中はわかりませんが、この詩だけをみると涼やかな風を感じます。

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