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「賦得古原草送別」白居易

2016-07-14 15:00:52     cri    


 先週末、チベット高原の青海湖に行ってきました。標高3266mという富士山の頂上に近い高さにある塩の湖、塩湖は一周が360km、琵琶湖の6倍、中国最大の湖だけあって、対岸が見えず湖と言うより正に海のようでした。陽射しが強いものの標高が高いので涼しく、日本なら春の花、菜の花が満開でした。黄色い菜の花畑が貫けるようなコバルトブルーの湖面を縁取る景色に心洗われます。起伏のある高山草原と呼ばれる峠を越えていくのですが、この辺りは緑の絨毯を敷き詰めたように草が生い茂っていました。草の色にもバリエーションがあって、忘れられない景色になりました。さて、今日は、その印象的だった草原の「草」が主役の白居易 の「賦得古原草送別(古原の草を賦し得て 送別す)」を紹介します。

 作者、白居易は中唐の詩人。字から白楽天としても知られています。作品は早くから日本に伝わり平安文学などにも影響を与えました。この詩は彼が16歳の時に作ったといわれています。「離離たり」の離離は離れると言う動詞ではなく、ふさふさと稲や麦の穂が垂れる様子を言います。遠芳は遠くまでかおる芳しい香りのことで、花の香りでしょう。晴翠は晴れた空の下の緑=草のことです。王孫は王者の子孫。萋萋は、草木が生えそろっている様子です。草というキーワードで、別れの気持ちを詠っています。この草は、日本なら桜と言ったかんじなのでしょう。

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