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「梅雨」杜甫

2016-06-08 16:21:17     cri    


 週末を利用して上海に行きました。連日30度を超える北京から出かけ飛行機を降りたらしとしとと雨が降っていて、気温は20度を少し超えただけ。肌寒く感じると同時に、さて、今日は杜甫の「梅雨」を紹介します。

 作者、杜甫は盛唐の詩人。中国を代表する詩人で、日本でもよく知られています。南京犀浦の南京は成都、犀浦は成都の県名です。4月に黄梅、梅の実が熟すとなっています。当時は旧暦だったので、1ヶ月くらいのズレがあるにしても、5月頃に梅の実が熟すと言うのですから、少し早いように思います。でも、四川の成都辺りでは北京や上海あたりとは、また陽気が違うのでしょう。改めて、中国は広いなぁと思いました。湛湛は、水が荒れ狂ったり、滔々と流れる様子。冥冥は暗いことです。雨が降り続き、空薄暗いのでしょう。茅茨は茅葺の住まいのこと。草堂のことで、自分の家を謙遜してこんな風に言ったりします。実際、今、成都の杜甫草堂を訪ねるとかなり立派ですが、当時は雨漏りがするような粗末な建物だったのかもしれません。蛟龍は、水の中に潜んでいて雲や雨を得て天上に上って龍になると言われている想像上の動物です。境遇に恵まれず志を達成できない英雄のことも指しています。杜甫、自身のことでしょうか。雨が多く、明るい太陽も差し込まない梅雨は、一般的には好まれませんが、水が大好きな蛟龍は喜んで、渦になってぐるぐる回る水と一緒に回っているようです。好くないと思われることも立場を換えれば、喜びにもなる。多角的にものごとをとらえなさいと杜甫が教えてくれているようです。

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