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「初夏即事」王安石

2016-06-03 14:17:47     cri    


 6月になりました。日本のカレンダーは、いかにも梅雨らしい写真やデザイン、色使いなのではないでしょうか。梅雨のない北京は、今頃の時期が一番日差しが強い時期かもしれません。しとしと降り続く雨とは無縁で、今日もキラキラと太陽が輝いていました。ギラギラと言うほどの強さではないと油断していると、あっと言う間に日焼けしてしまいます。朝の公園を30分ほど走っただけでも、うっすらと靴下とTシャツ、短パンの跡が解るほどになります。日本に居た時は、梅雨明け辺りからが日焼け止めクリームの出番でしたが、北京ではもう欠かせないものになっています。公園のランニングコースにできる木陰もクッキリはっきりしていて日差しの強さを物語っています。走る私も近道よりも思わず木陰を選んでしまいます。陰はびっくりするほどさわやか。今頃は私の大好きな季節です。さて、今日は私の気持ちにぴったりの王安石の「初夏即事」を紹介します。

 作者、王安石は北宋の政治家、詩人、文学者。現在の江西省撫州の人。今日紹介したように素晴らしい詩、散文も残していますが、新法を提唱し政治改革を断行しようとしたことが知られています。結局、先輩でもある蘇軾などからの反対に遭い政治改革はできませんでしたが、政敵である蘇軾をはじめとする新法反対者からも詩人としては、評価されていたようです。確かに、いい詩が残っています。今日紹介した詩も、とても印象的です。タイトルの「初夏即事」の即事は、即興というような意味です。目の前にある初夏の景色を目に映るままに詩にしたということ。名詞を並べていくだけなのに、リズムがあって今頃の景色がくっきりと目に浮かびます。景色だけでなく、水が流れる音、木々の新緑の葉が擦れる音、麦や草の香りまで伝わります。私が子供の頃日本で、「よこはまたそがれ」という演歌が流行りました。この曲の歌詞も名詞を並べただけのものですが、ストーリーになっていて子供ながらに凄いなぁと思ったことを思い出しました。彎碕は曲がりくねった岸のこと、両陂の陂は堤や土手のことです。水が流れる両側に土手がある、つまり土手の間を水が流れているようです。濺濺は、流れる様子、日本語にすればさらさらです。

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