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「春夜洛城に笛を聞く」李白

2016-04-22 17:11:01     cri    


 今日は、二十四節気の穀雨。穀物を潤す雨が降る頃です。日本では菜種梅雨、春に3日の晴れ間なしと言った言葉があって、春は雨のシーズンでもあるのですが、北京は相変わらず乾燥しています。この時期に雨が降ったら、作物にとっては恵みの雨になりますが、今日も北京は快晴でした。太陽がまぶしくて春と言うより夏を思わせる一日でした。そういえば、穀雨の次は立夏ですものね。季節の移り変わりは至るところで感じますが、日が伸びたことでも季節が変わったことを教えてくれます。そして、夜に色があるとすれば夜の色も漆黒の冬から、墨を水に流したような透明感のある黒に変わったような気がします。職場を出て、ちょっと寄り道したくなる時期になって来ました。さて、今日は李白の「春夜洛城に笛を聞く」を紹介します。

 作者、李白は盛唐の詩人。杜甫と並んで日本でもとてもよく知られています。この番組でも何作も紹介しました。それでも、いろいろ調べていくと次から次へと彼の作品が見つかります。情景が目に浮かび、気持ちも伝わってくるような詩が多いように感じます。今回の詩もそうではないでしょうか。李白が34、5歳の頃。洛陽に半年ほど滞在した時の春に作られたものです。玉笛は、文字通り玉でできた笛、つまり高級な笛です。洛城は牡丹の花で有名な洛陽のこと。折柳は折楊柳という別れの悲しみ寂しさを歌った曲のことです。柳の枝は弾力があって丸く輪のようにでき終わりがない=別れがない、しなって折れずに元に戻ることなどから、中国では昔、旅立つ人が無事に帰ってくることを祈って、柳の枝を輪にして贈ったといいます。故園は故郷のことで、故園の情とは故郷をなつかしく思う気持ちです。この作品は、故郷を遠く離れ洛陽にいた李白が夜、眠れないでいると、どこからか笛の音が聞こえてくる。その曲は別れの名曲。これを聞いて、故郷を思わない人がいるだろうか。と問われれば、いいえ、誰でも故郷のことを懐かしく思い出しますよ。と答えたくなりますよね。冬の間は、寒くて夜になると早々と布団にもぐりこんでしまいますが、いつまでも外が薄暗い春の夜は、外に出て笛を吹いたり、床につかずぼっとしていたり。現代の私たちにも充分共感できませんか。

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