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「春日内に寄す」蘇轍

2016-02-26 16:00:58     cri    


 2月はいつもの月よりもたった2、3日短いだけなのにあっという間に過ぎ去っていくような感じです。春節の大型連休があったからでしょうか?中国では、旧正月である春節が1年の大きな節目です。確かに2月の初めと終わりでは、気候もだいぶ違うように思います。気温自体ももちろん上がっていますが、空気の冷たさもだいぶ緩んできています。先週の金曜日が二十四節気の雨水でした。北京は乾燥していて道端で氷などを見かけることが少ないのですが、公園などの池は厚い氷に覆われています。この氷、日当りの良いところでは、だいぶ溶け始めていて、天然のスケート場も閉店の時を迎えています。

 作者、作者、蘇轍は北宋の詩人。眉山(四川省)の人。兄は蘇軾。父の洵とともに並び称されています。19歳の時に兄の蘇軾一緒に進士に及第し、地方官を歴任しました。中央の役人としても活躍しましたが、55歳の時に左遷されました。この詩は、50歳の時に契丹に派遣された時に作った詩だと言われています。半年間ほどの旅だったようですが、遼の国王の誕生祝に派遣されたようで、ある意味屈辱的なお遣いだったようです。 詩のタイトル「春日内に寄す」の「内」は妻のことで、契丹の地から帰れる喜びを妻あてに書き綴って送ったものです。1句目の燕山は北京の東にある山の名前。帰骖の骖は馬車を引く馬の意味です。日を迎えてとは、あらかじめ日を数えること、カウントダウンですね。嫖姚は軽やかな身のこなしの様子。いつも仕事に使っていた馬車の馬たちも帰任が決まったご主人である蘇轍の気持ちを察して、うきうきしていると歌っていますが、これは、もちろん蘇轍自身の嬉しい気持ちを馬に代弁させています。華髪は白髪のことで、それだけこの地の仕事が大変だったということでしょう。東風は春風の意味です。弊貂の弊は形が崩れた様子。貂は毛皮が珍重されるテンです。春風が吹けば、重いコートを脱ぎたくなりますよね。この詩には後半があって、蘇轍の妻のことを思い、詠っています。今時風に言うなら、単身赴任が終わり妻の下に帰る喜びが溢れた詩ということになりますね。蘇轍の人柄、やさしさがよく表れています。

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