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「歳寒圖」惲格

2016-01-18 16:34:09     cri    

 新しい1年が始まりました。と言っても実は旧暦でお正月を祝う中国。今は新年というより年末と言った雰囲気が漂ってきました。年末には伝統的な習慣がまだ生活の中に残っています。今度の日曜日、17日は旧暦では12月8日にあたり、中国では「腊八粥」を食べる習慣があります。腊八粥の腊は12月のこと、八は8日、粥はお粥ですから、12月8日のお粥ということになります。お粥と言うと、日本では病人食のような感じで、あっさりしたものをイメージしますが、この腊八粥は緑豆、ピーナッツ、ナツメなどが入っていて栄養満点です。このお粥を食べるようになった経緯には諸説あります。でも、きっと寒さの一番厳しい時期に、栄養のあるものを口当たりのいいお粥に入れて食べることで、冬を乗り切ろうということなのでしょう。もちろん、本来は各家で、それぞれ工夫を凝らしてお粥を作っていたのでしょうが、最近ではスーパーで缶入りのものなどが売っていて、手軽に食べることができます。栄養面では変わらないのでしょうが、やはり母親などがゆっくり、じっくり煮込んで作ってくれたものの方が、栄養があるような、体にいいような気がします。さて、今日は厳しい寒さに耐えて咲く椿を詠った惲格(うんかく)の「歳寒圖(さいかんのず)」を紹介します。

 作者、惲格は清代の画家。江蘇省の人です。字(あざな)は寿平,号は南田などで、明の末、清の初めの頃の六大画家四王呉惲(しおうごうん)の一人です。写生画風の色の付いた花鳥画を得意としました。いつもは詩人の作品を紹介してきましたが、今回は画家の作った漢詩です。確かに、この詩、色彩の無くなった冬、白い雪景色の中、窓辺に咲く濃いピンクの椿が描かれた一幅の絵を見ているような感じです。寒花は寒い時期の花、つまり冬の花のことです。この花が寒くなってから咲くと約束しているという発想が新鮮でした。花と言うと春や夏を思いますが、この時には咲かず寒くなるまで約束を守って咲くのを待っていてくれたんですね。東風は春風のことで、桃や柳と言う単語から薄ピンクや柔らかい緑色が思い浮かびます。山茶は椿のことですから、桃のピンクよりも濃いピンク色、柳の緑よりも濃く深い緑色の葉です。この色のコントラストが見事で、さすが画家の作った漢詩だなぁと思いました。

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