1216hanshi
|
気が付けば、今年も残り何日と数えるような頃になりましたが、こちらは旧暦でお正月を祝うので、あまり慌しい雰囲気はありません。冬が至と書く冬至を一週間後に控え北京の空気は、益々冷たく張り詰めてきたような感じです。最高気温が氷点下という日は、太陽が出ていても屋外はひんやりしています。そんな日に街角で焼き芋や甘栗などを買って、コートのポケットに入れ、カイロ代わりにするのが好きでした。でも、この焼き芋や甘栗の露天での販売がめっきり減ったように思います。リヤカーの後ろに練炭コンロを乗せて売るスタイル。確かに、練炭からでる煙で空気は汚れそうですが、やはり、私にとって焼き芋や甘栗は冬の風物詩ですから、これが無いとなんだか物足りません。古いものを残しつつ、新しいものを導入し便利になっていくのが理想ですが、現実はなかなか難しいようです。どこかで、甘栗が売っていないかとキョロキョロしたら、スーパーの入り口で売っていました。早速買い求めて食べてみたら、甘さも控えめになっているように感じました。気のせいでしょうか。
作者、牧牧は晩唐の詩人。現在の陝西省西安の人。杜甫を「老杜」と呼んで、この杜牧を「小杜」ともいいます。歴史や風雅な景色を詩にしました。中でも「江南の春」はとても有名で、江戸時代以降、日本でも好まれました。タイトルの「独酌」は、一人酒ということですね。とっくり片手に一人で日本酒と言うのは、なんだか冬が似合う気がします。窓の外は、風混じりの雪とは、ずいぶん寒そうです。でも炉を擁してと有りますから、炉のある部屋で暖を取っているのでしょう。始めに風雪の文字があったので、逆にずいぶん暖かそうに感じます。酒缸を開くの酒缸はお酒の甕です。ますます、身も心もぬくぬくしてきますね。ここまでは、きっと作者の様子でしょう。後半は、風雪の中、船にいる漁師のことです。船の中で眠るのですが、こちらも不思議と寒さを感じません。ぬくぬくとした室内でお酒を一人飲んでいる自分と、船にいる漁師。自分の方がよくて、漁師はかわいそうという雰囲気はなく、どっちがいいのか・・・と自分に問いかけているような詩です。無いものねだりかもしれませんね。でも、傲慢な感じはなく、私は、むしろ杜牧の優しさを感じます。
© China Radio International.CRI. All Rights Reserved. 16A Shijingshan Road, Beijing, China. 100040 |