1209hanshi
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窓の外が真っ白。と言っても雪なら嬉しいのですが、大気汚染となると憂鬱です。冬は集中暖房に化石燃料などを使うことなどから、空気が汚れやすい季節です。深刻な大気汚染も、大風が吹くとカーテンを開けたように、青空に変わります。なので、風が吹かないかなぁと思ったりしますが、風が吹くと北京の乾燥した寒さは骨に沁みます。風さえなければいいのに。でも、風が吹かないと空気が汚れるし・・・。寒くてもやはり空気がきれいな方がいいかな。先日、北海道出身の人と北京の寒さが話題になりました。彼女いわく、北海道の寒さは湿気があって雪が積もっても寒くないけど、北京の寒さは乾燥していて骨を刺すように厳しいと言っていました。その少し後に、北京の人が日本の東北地方に行った話を聞きました。彼いわく、日本のほうが湿気があって寒い。着ている物に寒さがじとっと沁みこむ感じだそうです。もともと暖かい静岡で育った私には、北京の乾燥した寒さも、湿気のある日本の寒さも厳しいことには変わりないのですが、慣れていない寒さのほうが、厳しく感じるのかなと2人の話を聞いておもいました。
作者、王維は盛唐の詩人。何度も紹介していますね。自然を詩に詠みこむことや山水画を得意としました。今日、紹介した詩は、そんな王維らしさがよく現れているのではないでしょうか。詩の中には「紅葉」の文字がありますが、目に浮かぶ情景は秋たけなわの艶々した紅葉ではなく、冷たい風に晒され枝に数枚残る紅葉です。荊渓は、地名です。湛然(たんねん)という天台宗の僧侶が住んでいた地です。王維も仏教に帰依していたといいますから、彼の詩にこの地名が登場するのも納得できます。夏の間はこんこんと流れていた水が秋、そして冬になると枯れて、川底の石さえも見えてしまうのでしょう。この白い石も艶々した白ではなく、ざらっとした冷たい感じがします。みどり深い山の中は、確かに太陽の光も届かず、湿っぽい感じがしますね。雨ではないのに、着ていたものがしっとり濡れる。ふるさと静岡の天城の山の中を歩いた時に、こんな感じだったような気がします。
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