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「九月九日憶山東兄弟」王維

2015-10-22 21:44:36     cri    

 今週は曇りや霧雨、小雨の日が続いています。日ごと、一雨ごとに寒くなっていて、北京は冬の入り口が見えてきました。朝早い時間に走ろうと薄着で外に出ると今までとは違った冷たい空気に包まれます。それでも、日中、陽が出ると「小春日和」ってこんな日を言うんだろうなと思える穏やかな日もあります。ずっとこんな陽だまりの中にいたいなぁと公園を走っていたら、どこからともなく甘い金木犀の香りが漂ってきました。あたりを見渡しても金木犀の花は見当たらず、紅葉が始まって黄色くなった銀杏の木ばかりでした。そういえば、日本の家には金木犀の木が有って、この時期、濃いオレンジ色の花がついていたなぁと、ふと思い出しました。今頃、金木犀が香っているかな、足元にホトトギスの花が咲いているかなと次々と故郷の家の景色が浮かんできました。秋が深まるこの時期は、古今東西、故郷が懐かしくなる時期かもしれません。今日は、そんな漢詩を紹介します。今日、10月21日は、旧暦で9月9日。中国では重陽節です。

 作者、王維は盛唐の詩人。山西省太原の人です。李白、杜甫と並んで盛唐の三大詩人ともいわれています。書画、音楽にも通じ、仏教の熱心な信者でもありました。15歳で親元を離れ、科挙試験の準備の為に都長安に出てきました。その甲斐あって、21歳で進士に及第します。今日の詩は、王維が17歳の九月九日、重陽節の時のもの。唐の時代の詩人で10代の若い頃の作品が伝わっているのは珍しいことです。タイトルの九月九日、一句目の異郷、異客と語呂合わせをしているあたりに若さを感じます。「親を思う」の「親」は「おや」と書きますが、親だけでなく親兄弟、一族の意味です。「高きに登る」「茱萸を挿して」は、昔中国では九月九日の重陽節に、頭に茱萸の枝をさして高いところに登り、菊酒を飲む習慣がありました。寒さが始まるこの時期、風邪や冬の体調不良をもたらす邪気は遠くからやってくると思われていたので、高いところに登って邪気が来ていないか確認したようです。その時、菊酒の菊の花や茱萸の赤い実が邪気を払うと考えられていました。故郷や親兄弟を懐かしく思う詩なのに、自分自身がさみしいとは表現しないで、兄弟の中で自分一人が欠けていると客観的にさみしさを表現しています。若いけれど、抑えが効いていて、栴檀は双葉より芳しの感がしました。

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