0930hanshi
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今日で9月も終わり、中国では明日、10月1日が国慶節、建国記念日です。今年は7連休と大型連休。私も半分くらいは休めそうですから、どこかに旅行に行こうと計画中です。もちろん、連休を利用して私とは逆に地方から北京にやって来る人もたくさんいます。見慣れてしまった北京の街ですが、初めての人にはどんな風に映るのでしょうか。北京を代表する「天安門広場」には、今年も大きな花かごが飾られています。広い通りには花壇も作られていて赤や黄色の花で飾られ、北京はいつもより華やかな表情を見せてくれているような気がします。それでも、ひとたび日が沈むとひんやりとした空気に包まれる時期になって来ました。暑さが去って、過しやすい時期なのに、なんだかさみしい気になってしまいます。夜の帳が下りるのが早くなったからでしょうか、それとも今年のカレンダーの残りが少なくなってきたからでしょうか。秋の短い北京、さみしがっている暇はありません。しっかりと秋を楽しまないと。さて、今日は耿湋の「秋日」を紹介します。
作者、耿湋は中唐の詩人。現在の山西省の人です。役人でもあった耿湋は長安の都で貴族や高官の屋敷に盛んに出入りし、詩を作ったり詩を贈りあったりという優雅な生活を送りました。今日紹介した詩は、作者が華やかな都ではなく、ひなびた村里の古い道にたたずんでいる様子が目に浮かびます。返照は夕日の照り返す光。夏の朝日とは違って寂しく儚げです。閭巷は村里のことです。秋の夕暮れ、一人たたずんでいるとなんだかもの悲しくなりますが、この気持ちを共に語り合う人もいないようです。寂しさが募るのに道行く人もいない。禾黍は稲と黍のことです。せめて道端で風で揺れているのが薄ピンクのコスモスなら、まだ華やぐ気持ちになるかもしれませんが、稲と黍では益々寂しい感じになってしまいますね。夕日で始まり、秋風で終わるこの詩。わかりやすい表現で、情景がはっきり浮かんできます。と、同時に目には見えない秋の物憂い思いもよく伝わります。
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