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「秋来」李賀

2015-09-02 19:09:09     cri    

 9月になりました。カレンダーをめくると青や緑で躍動感のあった7月8月とは、打って変わって落ち着いた色合いになっています。北京の街角は明日の軍事パレードを控え、あちこちに花壇が作られやはりいつもとは色合いが変わっています。空の色も街を行く人の服装の色も気が付けば秋色に変わっています。みなさんは、どんなところに秋の訪れを感じますか。さて、今日は、今日は李賀の「秋来」を紹介します。

 作者、李賀は中唐の詩人。役人としては下級で失意のうちにわずか27歳の若さで他界してしまいます。今日紹介した詩でもわかるように今までの詩とはだいぶ雰囲気が違います。幻想的で色を意識した詩を多く作り死後は「鬼才」と称せられました。好き嫌いの分かれる作風かもしれません。日本では、芥川龍之介がこの李賀のファンだったと言います。この詩は「桐風心を驚かし」で始まっていますが、前回も取り上げた「秋来ぬと 目にはさやかにみえねども風の音にぞ驚かれぬる」と同じですね。秋の訪れは、日本も中国も吹く風によって知り、秋が来たことで誰もがなんだか寂しくなるようです。絡緯はキリギリスの一種。寒素は白い布のことですが冷たい感じの月光を形容ています。青簡は書物のこと、花蟲は紙魚、本の虫ですね。

 鮑家は六朝の詩人、鮑照のことを言っています。白、青、血の赤、碧玉の緑と色彩あふれるのも李賀の詩の特徴がよく表れています。私がユニークに思ったのは、「腸応に直なるべし」寂しいむなしい思いを腸が伸びて死んでしまうという部分です。断腸の思いというのは聞いたことがありますが、腸が伸びるという発想は確かに「天才」ではなく「鬼才」と呼ばれるのにふさわしいと思います。

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