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「初挈家還讀書山」元好問

2015-07-10 09:44:25     cri    


 昨日、7月7日は七夕でしたね。私はなんだか忙しくしていて昨夜は空を見上げる余裕がありませんでした。また、昨日は二十四節気の1つ、小暑でもありました。北京では本格的な暑さは少し前から始まっていますが、次の節気が大書ですから、日本ならいよいよ暑さの本番、夏が始まる頃です。さて、七夕、夏、と言えば花なら「朝顔」でしょうか。残念ながら北京で朝顔を見たことはありませんが、同じように早起きの花が見ごろを迎えています。蓮です。あちこちの公園にはだいたい池があって、この花を楽しむことができます。大きな公園では舟に乗って蓮のお花見もできます。夏の朝、まだ空気がひんやり心地いいうちに小舟に揺られて蓮の花見。でも平日は出勤前で余裕がないし、土日はたくさんの人で込み合うし・・・。現実の世界では、風雅を楽しむのは容易ではありません。せめて、漢詩で楽しんでみることにしましょう。今日は、のんびりゆったりとした時間の流れを感じさせてくれる元好問の 「初挈家還讀書山」(初めて家を挈(たずさえ)て読書山に還える)紹介します。

 作者、元好問は金末期の詩人。金は南宋と対立していて、作者が45歳の時、蒙古、南宋の連合軍に滅ぼされてしまいます。今日の詩はその後、50歳の時、一家で故郷の山西省に帰った時のものです。田園というのが故郷山西省のことでしょう。紅の塵と書く紅塵は、日本語と同じ意味、俗世間の煩わしい雑事のこと。6月というのは今の暦なら5月くらい、また山西省には梅雨もないので「高柳の青風」が緑の柳を吹き抜けてきた爽やかな風だということが解ります。詩のタイトル、「初めて家を挈(たずさえ)て読書山に還える」から、川の堤で読書三昧をしていたのでしょう。さわやかな風が吹き渡り、思わずうたた寝してしまうことが、今、唯一の心配事だと言っています。原稿を書いていたら、思わず眠ってしまって「しまった。締切に間に合うかな」と心配する私と較べるとなんともうらやましい詩です。

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