会員登録

「過百家渡」楊万里

2015-07-03 13:34:52     cri    

 今日から7月。先週末から昨日までぐずついた北京の空模様ですが、今朝はカレンダーをめくったようにクッキリとした青空が広がりました。日本では6月のカレンダーは「梅雨」「雨」「紫陽花」といったイメージで、7月なら「夏」「海」と言ったイメージでしょう。北京では5月ころから「夏」が始まり、梅雨はありませんが今年は6月、雨が多かったように思います。それでも、日本の梅雨のように毎日、しとしと降り続く感じではありません。激しく降る時もありますし、小雨のような時もありますが北京の雨は比較的短い時間で止んでしまいます。生活者としては、短時間の雨は大歓迎です。雨で街が洗われ街路樹の緑がきらきら、つやつやするだけでなく、空気もきれいになるからです。夜に雨が降ると朝、驚くほど空気がヒンヤリしています。こんな時、早起きして公園に行ってみるといつもより多くの人が歩いたり、走ったりしています。北京のこの時期の朝は外での活動が似合います。公園で赤い百日紅の花が目に入ると、今頃日本では、どんな花が咲いていたかなぁなんて、ふと日本の景色を懐かしく思ったりします。さて、今日はなんとなく日本の景色と重なる楊万里 の「過百家渡」(百家渡を過ぎる)を紹介します。

 作者、楊万里は陸游、范成大と並ぶ南宋の大詩人。江西省の人です。唐の時代の詩を愛好し、宋の時代の詩の中では、俗語を多く用いるので解りやすい詩になっています。役人としては、直言が過ぎたため左遷されたという面も持ち合わせています。今日紹介した詩は、対句でできています。晴れ、雨、乾く湿る、淡い濃い、そして一句目の道、二句目の山。遠くの草原、目の前の新しい稲の苗、牛の背中と人の足跡。畳重は折り重なる、打重なるという意味、新秧の秧は稲の苗の意味です。これ以外の語句は説明は必要ないのではないでしょうか。技巧的でありながら、解りやすい言葉で構成され、それでいて情景が生き生きと浮かび上がる。楊万里らしい詩です。

関連ニュース
写真トピックス
コメント
今週の番組
今日熱点
快楽学唱中文歌
特集ダイジェスト
LINKS