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今週の土曜日、6月20日は旧暦で5月5日、端午節、端午の節句です。中国では伝統的な祝日は、みな旧暦で祝います。日本なら端午の節句と言えば粽よりも柏餅ですが、こちらは粽一色です。1か月ほど前から高級ホテルでも庶民のコンビニでも粽の予約が始まり、街には粽のポスターなどが溢れ出します。また、この5月5日は楚の国の愛国詩人屈原の命日とも言われています。彼の死を悼んで、その遺体が魚に食べられないように粽を川に投げ入れたのが始まりで、川で太鼓を鳴らし大きな音で魚を追い払ったのが、ドラゴンボートレースの由来とも言われています。先日、日本人の後輩男性から手作り粽をもらいました。「北京のお母さん」が友達にも配るようにと沢山持たせてくれたもののおすそわけです。雑穀が入ったものと肉や干しエビが入ったものの2種類。紐をほどくとぷ~んと笹の葉の香りが食欲を誘います。1つ1つ丁寧に結んだ紐に作った人の愛情を感じました。本当の息子ではないけれど、健康を祈り、友達との人間関係も上手く行くようにと思いを込めてたくさん作ってくれたのでしょう。食べながら、「北京のお母さん」の気持ちも伝わりとても幸せな気持ちになりました。さて、今日は殷堯藩の「端午の日」を紹介します。
作者、殷堯藩は中唐の詩人、浙江省の人です。佳節はおめでたい日、祝日のことですが、タイトルから言って端午節のことです。こどもの頃はとても楽しみにしていた誕生日やお正月が、年を取ってため息の日になってしまう、共感できる方も多いのではないでしょうか。艾符はヨモギを束ねて作った人形、魔除けです。蒲酒は菖蒲酒のこと。日本の菖蒲湯はここから来ているのでしょう。榴錦と柘榴を錦のようと形容しています。今ならルビーのようなと言ったところですね。最後は、人の世の儚さ、無常観で終わっています。殷堯藩の最後の仕事は、官僚の監察、弾劾を職務とする侍御史(じぎょし)でしたから、いろいろな人を見てきたのでしょう。
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