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「北固晩眺(北固の晩眺)」竇常

2015-06-11 15:44:00     cri    

 北京では、日中は30度を越えるのが当たり前になってきました。日本なら冷たいカキ氷でも食べたくなるところですが、こちらでは夏の冷たい水分補給と言えば、西瓜です。西瓜がこの時期の果物の王様ならば、女王様はサクランボでしょうか。5月始めの走りのころに較べて価格も三分の一くらいになってきました。100グラム100円前後です。アメリカンチェリーのように色の濃いものもあれば、佐藤錦のように黄色と紅色が混ざった透明感のある色のものもあります。いろんな種類を試して、旬の果物を満喫しています。さて、先週の土曜日は二十四節気の1つ、芒種でした。草冠に亡命の亡、種と言う字を書く芒種。稲や麦などの穀物の種の意味で、稲を植える時期を表します。日本は、確かにこの時期が田植えのシーズンでもありますが、晴天続きの北京ではピンと着ません。それでも広い中国のこと、長江、揚子江の南の地域では、梅雨があります。今日は、今頃の時期、長江流域の鎮江、黒酢の産地としても知られている鎮江の北固山からの夕暮れ時を詠った詩、竇常(とう じょう)の「北固晩眺 (北固の晩眺)」を紹介します。

 作者、竇常は中唐の詩人、西安の人と言われています。節度使の参謀からスタートし、地方の役人を歴任、最後は教育行政機関、国子監(こくしかん)の長官を務めました。タイトルにも出てくる北固は、無錫と南京の間に位置する鎮江市にある北固山のこと。高さ48メートルほどの小山です。長江に突き出していて、川の流れを望むことができます。この詩は前半で風景を詠っています。露蚕 晩蔟を開きの露蚕は露天で飼っている蚕、晩蔟を開きの蔟は、まぶし、蚕が繭を作りやすいようにした仕掛け、江燕 危檣に語る、江燕は川燕、蚕と対になっています。危檣は高い帆柱、マストです。次の句は南北への山と西へ流れる川が対です。自然の景色は変わらず雄大なのに、人の世は移ろいやすいと嘆いています。私もこの北固山から長江の流れを見たことがありますが、この詩のことも知りませんでしたし、川幅が広く黄土色の水は、あまり感慨にふける感じではありませんでした。次の機会に眺めたら、何かを感じられるのでしょうか。

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