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「客と約す」趙師秀

2015-06-11 15:42:40     cri    

 6月に入った北京はまぶしい青空の日が続いています。朝、外が明るくなって目覚まし時計のベルがなる前に、早起きの太陽に起こされてしまいます。あわてて時計を見ると、まだ6時前。日の出時刻が一年で一番早い時期だと言うことを実感させられます。せっかく早起きしたのだからと近所の公園に走りに行ったら入り口に大きなトラックが停まっていました。こんな朝からなんだろうと見ていると、荷台から大きな西瓜が次から次へと下ろされて行き、街角にはあっと言う間に西瓜ピラミッドが登場。最後に体重計のような量りが下ろされ、露天の西瓜売り場の出来上がりです。これから数ヶ月は果物の主役となる西瓜、大きなものでも1個、数百円です。最近、北京ではいろんなものの値段が上がっていますが、西瓜は今でも私達、庶民の味方です。さて、今日は西瓜ではなく、梅の実が出てくる漢詩趙師秀の「客と約す」を紹介します。

 作者、趙師秀は南宋の詩人、地方の役人を歴任しました。浙江省温州の人。前回に続いて、黄梅の時節、梅が黄色く色ずく今頃の詩です。家家の雨とありますから、日本と同じように梅雨の最中なのでしょう。黄色い梅の実を見上げた後、足元に目を移すと、草が青々と茂っています。黄色と青が対句になっていますね。さっきはザアザアという雨の音を聞きましたが、今度はケロケロでしょうかゲロゲロでしょうか蛙の鳴き声が聞こえています。前半が色、視覚の対で、後半は音、聴覚が対になっています。約束がある人が来ない。閑に任せて棋子を敲けばとあります。棋子は碁石のことですから一緒に囲碁を楽しむはずの友達だったのでしょう。

 夜中までずっと待っているなんて、楽しみにしていたんでしょうね。相手の方は、雨が止んだら出かけようと思っていて、とうとう雨が止まず夜中になってしまったのでしょうか。携帯電話もSNSもない時代。不便と言えば不便ですが、お互いに相手のことを思って、止まないかなぁとじっと雨を見ている。贅沢な時間の過ごし方かもしれません。

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