0520hanshi
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日の出時刻が大分早くなって来ました。少し早起きしたつもりでも朝の時間が短くてあっという間に本格的な一日が始まる感じです。街路樹も少し前までは優しい新緑の色でしたが、今はすっかり濃い緑になりました。葉が生い茂りだすと、各々の樹の個性が発揮されて、改めて見てみると街路樹の種類も幾つかあることに気づきます。ポプラ、プラタナス、えんじゅ、柳、・・・。そう言えば、地名にも松、柏、楡、えんじゅ、梨、棗、むくげ、栗と言うものも多いので、以前はもっとたくさんの街路樹の種類があったのかもしれませんね。少し前までは、街路樹の葉も少なくて、見通しがよかったのですが、今は茂った木の葉が直射日光から私たちを守ってくれています。その季節季節で街路樹の役目もいろいろのようです。さて、今日は韓愈の「張十一の旅舎に題す 榴花」、ざくろのことを詠った詩を紹介します。
作者、韓愈は中唐の詩人、役人で儒学者でもあります。河南省の人。白居易と並び称されています。さて、北京の4月は桜や桃に始まり、ピンクや白の花で街が彩られていましたが、5月の街の色は緑が主役。そんな中、赤いざくろの花は新鮮です。
まさに目に刺さるような感じです。でも私はザクロというと花よりもキラキラした宝石のような果実を先ず、思い浮かべます。ぎっしり詰まった赤い実が、子沢山をイメージさせると言うので、中国では吉祥のしるしとして、お目出度い画などによく登場します。赤くぎゅっと詰まってにぎやかそうな果実とは裏腹に、この詩の舞台は静かな裏通りのようです。車馬も通らない、と言えば確かに寂しい感じですが、そのおかげで
誰にも踏まれず、青い苔の上に赤いザクロの花が散った様子を楽しむことができる訳です。苔の緑色とザクロの赤。春とは違う、初夏の花の楽しみ方かもしれません。
では、おしまいにもう一度、聞いてください。
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