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「田園楽」王維

2015-06-11 15:34:05     cri    

 日本のゴールデンウィークは今日までですね。大型連休を楽しんだ人も多かったのではないでしょうか?中国も5月1日労働節=メーデーの連休でした。以前は7連休と大型だったのですが、最近は3連休と短くなりました。遠出はできなくても、爽やかなこの時期、家の中にじっとしていたのではもったいないと思い、北京の中心にある景山公園に出かけてみました。牡丹祭りを開催中ということで楽しみにしていたのですが、行ってみたらほとんどの花が散っていました。それでも、花の足元を見ると花びらが茶色の地面を覆い薄ピンクや白い絨毯が敷かれているようで見入ってしまいました。花は咲いている時だけでなく、散ってからも人を楽しませてくれるんだと感心しました。バスに乗って帰途につくと、道路の中央分離帯にバラの花をみつけました。場所によって満開のところもあります。残念ながら近づいて香りをかぐことはできませんが、バラの上品な甘い香りを思い出しリラックスできました。都会の真ん中にいても花を楽しむことができます。さて、今日紹介するのは田園で春を楽しむ詩です。7首のうちの6首目、王維の「田園楽」を紹介します。

 作者、王維は、盛唐の詩人、画家で現在の山西省太原の人。役人でもあった王維は、「半官半隠」、宮使いの合間に郊外にある山荘で悠々自適の生活も楽しんだようです。詩の中の「山客」と言うのは山荘の主のことで、王維自身をさすのでしょう。

 自然を謳歌した五言絶句に優れた人ですが、今日紹介した詩は五言ではなく六言、六文字で一句ができている珍しいものです。桃と柳、紅と緑、雨と靄、花と鶯、童と客、きれいに対句になっています。そのせいか、五言や七言よりもリズムを感じます。仏教にも帰依した王維ですが、阿倍仲麻呂や孟浩然とも親交がありました。そういえば、この詩「田園楽」の情景は孟浩然の「春眠暁を覚えず」の詩と同じです。夜に雨が降り、その雨で花が落ちる。鳥が鳴いて朝が来る。地面に落ちた花びらを慌てて掃き清めるのではなく放っておく。そんな光景を思い浮かべながら自分は春のまどろみの中。才能ある友人と同じ景色をそれぞれ詩にして、後世に伝えられていく。王維も孟浩然も素敵な春を楽しんだ訳ですね。

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