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互いの理解深まる真の文化交流

2017-06-09 13:45:44     cri    

 日本中国国交正常化45周年記念講演

 平成29年度松本日中友好協会定期総会記念講演 

「中日文化交流及びその最新事情」

互いの理解深まる真の文化交流

中國駐日大使館 文化部 陳諍 参事官

 

 5月9日、松本日中友好協会は松本市本庄のホテルブエナビスタで年度総会を開き、中国駐日大使館文化部陳诤(ちん・そう)参事官が記念講演した。陳参事官は「中日文化交流及びその最新事情」と題して話し、会員や来賓ら約80人が聞いた。

 2012年以来、両国の政治関係は国交正常化(1972年)以降、最も難しい局面を呈している。文化交流も大きな影響を受けている。2012年は国交正常化40周年だったが、延期されたり、中止になったりした記念行事も多かった。私の着任した2014年は、両国の文化交流にとって最も深刻な状況だったように思う。両国には2000年以上の友好の歴史があり、過去の不幸な歴史はわずかなことだと、先人は述べている。今を生きるわれわれは友好のため、もっともっと努力するほかない。ともに漢字文化圏の両国は、生活習慣も良く似ているだけに、互いに理解できていると思い込みがちだ。

 例えば、ごんべんに争うと書く私の名前は、日本語では「いさかう、言い争う」の意味だ。しかし、中国語の「诤友」に悪いニュアンスはなく、率直に何でも話し合える関係のこと。両国もそうあってほしいと、いつも思っている。

 日本で有名な「上海ガニ」や「天津甘栗」もそうだ。実はどちらもその地で採れるものではなく、カニは隣の常州、栗は隣の河北省のもの。輸出する港が上海や天津だったためその名で知られるようになったのだろう。中国の漢字が日本に大きな影響を与えたのは言うまでもないが、近代になり日本で生まれた言葉が「逆輸入」され、中国の近代文化発展に大きな役割を果たしてもいる。

 例えばマルクス、エンゲルスの「共産党宣言」は、中国では日本語から訳されたものが最初。その中の「民主」「科学」といった単語は、それまでの中国語では「デモクリシ」「サインス」といった英語の発音に近い漢字を当てはめて使っていた。同様の単語は、組織、幹部、社会、立場などたくさんある。

 今ではすっかり浸透し、中国固有の言葉だと思っている人も多い。「御宅(オタク)族」の言葉が生まれた頃、大使館文化部がどう訳して中国に紹介しようかと頭を悩ませているうちに、国内ではこの3文字のまま使われるようになっていた。「国の交わりは民の親しみにあり」との言葉がある。近年は日本を訪れる中国人観光客が非常に増え、昨年は650万人を超えた。インターネットには日本の治安やサービスの良さを客観的に紹介する書き込みが増えた。交流の成果だと思う。一方で、中国を訪れる日本人観光客はやや減りつつある。両国には「百聞は一見にしかず」という共通したことわざもある。真の交流と理解に達するために、もっと多くの日本人に中国を訪れてほしいと願っている。

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