0623-2
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聞き手:王小燕、高橋恵子
中国でも日本でも、テレビ放送が同時通訳の認知度を上げるのに大きな役割を果たしました。
中国では2003年のイラク戦争、2011年の東日本大震災が、それぞれ英語や日本語の同時通訳付きで、実況中継されました。これをきっかけに、それまでは国際会議という限定された場所でしか、その存在が知られていなかった「同時通訳」(放送通訳)の仕事に、多くの一般視聴者も直接触れることになりました。
一方、日本では、1969年、(米)アポロ計画による人類の初の月面着陸に続き、1980年代初頭、中国から肉親探しのために訪日した残留孤児の訴えを実況中継した時、英語と中国語の放送通訳が大活躍しました。
1989年、NHK-BSの開局と共に、中国のテレビ局も含め、世界各国からのニュース報道が日本語の放送通訳により、毎日、紹介されるようになりました。
神崎さんはその開局と共に、放送通訳の一人として活躍され、現在も毎週、この仕事を続けています。
1997年、香港の中国返還の時のこと、同時通訳としてNHKの生放送の現場にいた神崎さん。冒頭の30分ほどが神崎さんの担当。でも、なんと原稿なしのぶっつけ本番でした。友達から「心臓に毛が生えている」と言われていますが、どのようにして「毛を生やした」のか。今回はベテラン通訳者の心構えをめぐってお話を伺います。
このほかにも単語帳のつけ方、仕事の準備の仕方、百戦錬磨の舞台裏に迫ってみました。
なお、この放送はPodcastの【CRIインタビュー】でもお聞きいただけます。
【プロフィール】
神崎多實子(かんざき・たみこ)さん
1935年生まれ。幼年期に中国へ渡航、1953年日本に帰国。都立大学付属高校(現桜修館)卒業。北京人民画報社、銀行勤務などを経て、フリーの通訳者に。通訳暦50年余り。NHK BS通訳、サイマル・アカデミー講師。
編著書:『中国語通訳トレーニング講座 逐次通訳から同時通訳まで』(東方書店、1997年)
神崎勇夫遺稿集『夢のあと』(東方書店、2010年)
『聴いて鍛える 中国語通訳実践講座 ニュースとスピーチで学ぶ』(東方書店、2014年)
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