映像の美しさが多くの人たちをひきつけました。
美食という切り口で中国を伝える、とても分かりやすい番組でした。
その人気にあやかり(?)、今日は『スローガンの中の中国』を
お届けしたいと思います。
毛沢東時代、スローガンは中国社会において国の歩む方向性を決定付けるほど
大きな"存在"でした。
時は流れ、改革開放が始まり、中国経済は大きく躍進。
多くの人が豊かになり、モノがあふれ、
物質的に満たされる時代になりました。
一方、精神的に欠落しているものはないか、
いま地下鉄やバスなど公共交通機関の場では
アナウンスでしきりにマナーの向上を呼びかけています。
中国の地下鉄に乗ると、年配の方に席を譲るスピードがとにかく速いのに驚きます。
70歳を過ぎたある日本人は、車両に乗り込んだとたん、
3人が同時に立ち上がってくれたと、とても感動されていました。
今度からはジジイ3人で行動しようと(笑)
そして、道端で、マナーの向上などを訴えるのに活用されるのが現代版スローガンです。
本当~に、多種多様なスローガンがあり、そこから様々な「中国」が見えてきます。
まずはこの1枚。
「社会主義核心的価値を心で理解し行動で示そう」
社会主義核心的価値とは、2012年11月に開かれた
中国共産党第18回全国代表大会(通称十八大)で政府が取り上げた、
いまの中国社会において最も守るべき価値理念のことです。
24字で巧みに表現されました。
「富強」「民主」「文明」「和諧」「自由」「平等」
「公正」「法治」「愛国」「敬業」「誠信」「友善」
湖北省武漢市では、地元政府の職員や市民がちゃんと暗誦できるか
抜き打ちテストをやった地区もあったそうです。
続いて、住宅街に張り出されているポスター。
「中華の伝統 兄弟は敬い合い 譲り合うべきだ」(左)
「二人が心を合わせれば どんな困難にも打ち勝てる」(右)
尊敬。譲歩。協力。
物質ばかりを追い求め、拝金主義が蔓延し、中華民族の美徳を忘れていないか。
それを戒めているようにも見えます。
ラストは2年前に空港で見つけたポスター。
「字は簡体化できるが、"心"無い愛があってはならない」
愛。簡体字で爱。心を失ってしまった愛。
それを見事に表現した"心"からのメッセージ。
今日も、僕は心ある愛を探しています。中国で。
ごきげんよう。再見。(高橋敬)
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