日本には「ハレ(晴れ)とケ(褻)」という言葉があります。これらは民俗学からくる言葉で、「ハレ(晴れ)」とは祝い事に代表される「あらたまった」「正式な」「特別な」という意味をもち、「ケ(褻)」とは日常的なことで、「普通の」「普段の」といったことを意味しています。
これまで日本人はこの「ハレ(晴れ)」と「ケ(褻)」の区別を生活の中に取り込んできました。そのお祝い「ハレ(晴れ)」の日の代表的な食べ物として、新年、お正月、節分(2月3日)といった日本の暦のお祝いや節目を迎えるとき、「巻き寿司」が食されます。
日本食の代表として「スシ」が世界的にポピュラーな食べ物となっている今、特に「巻き寿司」は海外でもアレンジされ食されています。一言で「巻き寿司」といっても「細巻き」「太巻き」「裏巻き」等々、様々なバリエーションがあります。
例えば「節分の夜に、太巻き寿司を、その年の恵方(えほう=吉(縁起がよい)の方角)に向かって丸かぶり(丸ごとがぶりと食べる)すると、1年間幸せに暮らせる」という言い伝えがあるそうです。
今回は、日本外国記者クラブのおかげで、女子栄養大学の講師である遠山勇さんの解説を受けながら、実際に「巻き寿司」を作ることができました。
巻き寿司を食べたことがありますけど、作ったことは今回で初めてです。巻き寿司というとただ簡単に海苔、ご飯、卵など巻いたら出来上がると思いました。でも今回が作った巻き寿司は美味しいはもちろん、その美しさもびっくりさせますよ。
遠山先生が教えてくれた巻き寿司は「バラの花」と「揚羽蝶」です。
「バラの花」を作るため、すし飯、桃色すし飯、いんげん、紅しょうが、のりと薄焼き卵が必要です。初めに花を作ります。
薄焼き卵の上に桃色すし飯と紅しょうがをバラバラとちらし、手前からしっかり巻き込み、渦巻を作ります。もう一枚の焼き卵の上に桃色すし飯と紅しょうがをちらし、先に巻いた渦巻きを手前にのせ、巻すごとしっかりと巻き込みます。これで花ができました。
バラの葉3枚を作ります。のりの上にすし飯、そしてのりの向こうと手前1/3ずつの位置にさい箸でみぞを作ります。みぞは向こうに一本、手前に2本、みぞにはそれぞれのりをはめ込み、へこみにいんげんの塩ゆでをひと並べに入れます。
中央の開いているところに作っておいた花をのせ、左右両端を寄せ、残りのすし飯を補い、巻き込みます。
遠山先生と完成品、綺麗でしょう。
可愛い「バラの花」
「揚羽蝶」はちょっと難しいです。材料はすし飯、桃色すし飯、山ごぼう、さやいんげん、かんぴょう、のりと卵焼きです。
まず左右の羽を作ります。のりにすし飯をのせ、すし飯の横中央にみぞを作り、山ごぼうをはめ込みます。手前から向こうへのりの端を合わせます。のりの向きを変え、すし飯をのりの余部にひろげ、横中央にみぞをつくり、ゆでたさやいんげんをはめ込み、手前ののりの端を上羽の端とつき合わせます。同じものを二個作ります。
焼き卵の上に桃色すし飯をひろげ、横中央に卵一個ほどの大きさの桃色すし飯で高さ1.5センチの山を作り、のりをかぶせ、角を整え、山のすその部分に細いいんげんを埋め、山肌にすし飯を薄く広げます。
左右の羽を下に向けて組み合わせ、かんぴょうをまとめて挟み込みます。巻すごと左手に持ち、残りのすし飯を形よく補い、出来上がりです。
こんなに綺麗な蝶々になりました。
さっそく私も作ってみました。どうですか?私の作品は?
美味しい!やはり自分で作った巻寿司だから、最高!
皆さんもやってみませんか?バラと蝶々のほかに、別の図案の巻き寿司も考えてくださいね。
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