11月11日は「独り身」の日。毎年恒例の大規模セールが行われネットショッピングが盛り上がった中国ですが、映画業界はそのような「好景気」の影響を受けることなく、落ち着いた１週間となりました。マーベル最新作『ドクター・ストレンジ（中国題：奇異博士）』が2週連続1位をゲットし、先週3位だったトム・ハンクス主演作『インフェルノ（中国題：但丁密碼）』はいきなりランキング圏外に飛ばされ、今年最大のランクダウンとなりました。『ちびまる子ちゃん』と『クレヨンしんちゃん』に続き、中国公開を果たしたメイド・イン・ジャパンのアニメ映画の『ONE PIECE』最新劇場版が初登場3位。日本映画の新作が2週連続でランキングに登場し、中日文化交流にとって喜ばしい動きといえるでしょう。

　～作品紹介～

　【１位】ドクター・ストレンジ（中国題：奇異博士）

　公開予定日：2016年11月4日

　監督：スコット・デリクソン

　主演：ベネディクト・カンバーバッチ　キウェテル・イジョフォー　レイチェル・マクアダムス　

　マーベルスタジオが繰り出す新作実写映画『ドクター・ストレンジ（中国題：奇異博士）』が2週連続1位をゲット。マーベル屈指の魔術師であるドクター・ストレンジが主人公の初めての作品で、事故によるドン底から世界を救うヒーローとなるまでの、天才医師ストレンジの成長を描いたストーリーとなっています。主演に抜てきされたのは2010年からのドラマシリーズ『SHERLOCK/ シャーロック』で爆発的な人気を博した英国の俳優ベネディクト・カンバーバッチ。カンバーバッチは近年、『スター・トレック イントゥ・ダークネス』(2013)や『ホビット 竜に奪われた王国』(2013)などの大作シリーズへの出演や、『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』(2014)でのアカデミー主演男優賞へのノミネートなど、世界中で最も注目されている俳優の一人です。そんな彼が演じる新たなキャラクター、『ドクター・ストレンジ』の日本公開は2017年1月27日です。

　【２位】ビリー・リンの永遠の一日（中国題：比利•林恩的中場戦事）

　公開予定日：2016年11月11日

　監督：李安（アン・リー）

　主演：ジョー・アルウィン　クリステン・スチュワート　クリス・タッカー　ギャレット・ヘドランド　

　『ライフ・オブ・パイ／トラと漂流した227日』など、2度のアカデミー賞に輝いた李安（アン・リー）監督の最新作『ビリー・リンの永遠の一日（中国題：比利•林恩的中場戦事）』が初登場2位。今作は、イラク戦争を風刺した作品でありながらも、九死に一生を得て仲間と共に生き残り、その後メディアに大きく取り上げられ一躍英雄扱いされた19歳の兵士ビリー・リンの姿を通して、アメリカ社会の"今"を描く感動作にもなっています。そのまた一方で、世界初となる4K3D＆120FPS（120フレーム/秒）技術を駆使して制作された斬新な映像世界にも注目が集まっています。主演には新人のジョー・アルウィンを起用し、共演はクリステン・スチュワート、クリス・タッカー、ギャレット・ヘドランド、ヴィン・ディーゼル、スティーヴ・マーティンなど。来年度のアカデミー賞の有力候補としても期待されており、日本では2017年2月11日に公開予定です。

　【３位】ONE PIECE FILM GOLD（中国題：航海王之黄金城）

　公開日：2016年11月11日

　監督：宮元宏彰

　主演（吹替）：田中真弓　中井和哉　岡村明美　山口勝平

　前作『ONE PIECE FILM Z』（2012）から3年半ぶりとなる、『ONE PIECE』劇場版シリーズの13作目が４カ月越しに中国で公開。今作は世界最大のエンターテインメント・シティ「グラン・テゾーロ」を舞台に、ルフィたち「麦わらの一味」が、世界政府をも金の力で動かす「黄金帝」ギルド・テゾーロと激突する物語となっています。中国のほかにも、7月末に香港、マカオを皮切りに、8月には台湾、タイ、ベトナム、フィリピンなどで順次公開され、欧州や北米など33の国と地域で公開されました。

　【４位】外公芳齢38（Scandal Maker）

　公開日：2016年11月11日

　監督：アン・ビョンギ

　主演：佟大為（トン・ダーウェイ）　陳妍希（ミシェル・チェン） 呂雲驄

　これまでホラー映画を中心に撮ってきた韓国のアン・ビョンギ監督の最新コメディ。2008年に大ヒットした韓国映画『過速スキャンダル』のリメイク版で、中国のスター、佟大為（トン・ダーウェイ）と陳妍希（ミシェル・チェン）を起用しています。主題歌は人気バンド、好妹妹楽隊と新鋭女性シンガー陳粒が担当しています。

　【５位】驢得水（Mr. Donkey）

　公開日：2016年10月28日

　監督：周申　劉露

　主演：任素汐 阿如那 大力

　2015年の大ヒット映画『夏洛特煩悩（Goodbye Mr. Loser）』で14億元の興行収入をたたき出した「開心麻花」グループが帰ってきた！無名のスタッフと俳優陣を起用した彼らは、新作でもやはり舞台劇の映画化に挑戦しています。舞台は民国時代、山間部の小学校が水を運ぶロバを飼う経費を得るために、英語の先生という名目でロバを「呂（驢）得水先生」と名付けたことから物語が始まります。この「呂先生（ロバ）」をめぐり、個性あふれる学校の先生たちと教育部（日本の文部科学省に相当）の特派員の間で繰り広げられるとんでもない駆け引きを描いた作品です。