～ひとくちメモ～

　夏休みの前哨戦ともいえる6月、国際児童デー（1日）を意識した子供向けのアニメ作品が多く公開されるほか、前半の端午節（今年は9日～11日）連休を見据えての大混戦も予想されています。

　中国映画では、トップ女優、趙薇（ヴィッキー・チャオ）が『最愛の子（原題：親愛的）』以来2年ぶりとなる主演作を届けてくれました。新作は、ポリスアクションで知られる香港の巨匠・杜琪峰（ジョニー・トー）監督がメガホンを取る犯罪アクション『三人行（THREE）』で、6月24日に全国公開。趙薇(ヴィッキー・チャオ)と共演しているのは、香港の人気俳優・古天楽(ルイス・クー)と鐘漢良（ウォレス・チョン）。ヴィッキー演じる女医、ルイス演じる警官にウォレス演じる強盗という、身分も立場も違う3人が病院内で繰り広げるストーリーです。この作品は6月30日から開幕する2016台北映画祭のクロージング作品にも決まりました。

　もう1本のお勧めは2015年のモントリオール国際映画祭で好評を博した邢健（シン・ジェン）監督の『冬（Seven Days）』。中国東北部の山中で孤独に暮らす老人が少年と出会い、心を通わせる物語ですが、冬の山奥を舞台とした、白黒で、セリフひとつない、動く水墨画のような映像作品としても注目を集めました。主演は人気上昇中の老俳優・王徳順（ワン・ダーシュン）。この作品が監督デビュー作となる邢健（シン・ジェン）ですが、モントリオール国際映画祭芸術貢献賞を始め、国内外の多くの映画祭で賞を獲得しています。

　恋愛映画の一押しは、郭富城（アーロン・クオック）と楊子姗（ヤン・ズーシャン）がW主演する『天亮之前（One Night Only）』。ギャンブルで無一文になった男と金目当てで男性にアプローチする女が、夜が明けるまでに絶望的な運命を切り開く物語。監督は台湾の俳優でもある呉中天（ウー・チョンティエン）で、主演の一人・楊子姗（ヤン・ズーシャン）の夫としても知られています。

　6月も洋画の注目作が相次いで公開される予定です。5月公開の『キャプテン・アメリカ』の最新作に続き、マーベルコミックスの人気シリーズ『X-MEN』の最新作『X-MEN：アポカリプス』も公開決定。　本作は、『X-MEN：ファースト・ジェネレーション』、『X-MEN：フューチャー＆パスト』のストーリーを締めくくる完結編で、有史以前からこの世界に「神」として君臨していたミュータント「アポカリプス」が長い眠りから覚めるところからはじまります。X-MEN全員のパワーが結集するところで物語は最高潮を迎えます。日本公開は今年8月11日の予定。ほかにも、世界中のゲームファンが熱望する超大作『ウォークラフト（中国題：魔獣）』（日本公開：2016年7月1日）や、世界的に大ヒットしたディズニーのアニメ映画『ファインディング・ニモ』の続編『ファインディング・ドリー（中国題：海底総動員2：多莉去哪児）』（日本公開：2016年7月16日）、2013年に話題となった怪盗映画『グランド・イリュージョン』の続編『グランド・イリュージョン 見破られたトリック（中国題：驚天魔盗団2）』（日本公開：2016年9月）、1996年の米SF映画『インデペンデンス・デイ』の10年越しの続編『インデペンデンス・デイ: リサージェンス（中国題：独立日：巻土重来）』（日本公開：2016年7月9日）など待望の大作が目白押し。（ミン・イヒョウ　謙）